初めての体験 Asid 14
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その途端、芦原さんが弾かれたように顔を上げて、ボクを切なげに見つめてきた。
「どうしたんですか?お望み通りでしょう?」
意地が悪い。彼の本当の望みはわかっているのに―――――
ボクは、ニヤニヤ笑って彼を見た。芦原さんがそれを口にするまで、ボクは彼には
触れないつもりだ。
芦原さんは何かを言いかけては止めるを、何度も繰り返していた。薄い紅色に染まった
太股を堅く閉じ、両の手で身体を掻き抱くように震えている。なかなか、色っぽい風情だ。
芦原さんも、こうしてみると結構いいかも……。まあ、ボクの進藤には及ばないけどね。
どれくらいそうしていたのか…暫くして、芦原さんは、潤んだ瞳をボクに向け、吐息の
ように密かな声で訴えた。
「アキラ…たのむ……してくれ…」
ボクは、「何を?」とは訊かない。芦原さんから、その言葉を引きだしただけで、とりあえずは
満足だ。だって、これからもっと酷い目にあう彼を、これ以上虐めては可哀想ではないか。
「ボクがそのお願いを訊いたら、芦原さんもボクの頼みを訊いてくれますか?」
芦原さんは、必死に頷いた。
「ホントに?」
「きく…何でもきくから…たのむ…」
涙を含んだ声で、途切れ途切れに訴える。やった…!それでは、本人の了解も得たことだし、
ちょっと練習させてもらおうかな。
ボクは、ベッドの中に隠した物を引っぱり出した。
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