肉棒だらけの打ち上げ大会 14 - 15


(14)
夕暮れ時の山間静かな温泉施設の温泉浴場の窓からは、町に小さな灯りが
ポツポツと見え始める。
昭和初期の看板がそのままに放置してある寂れた町並みにその灯りが妙に
マッチして、どことなくレトロな雰囲気が温泉町に漂う。
・・・・・・・が、この温泉施設に宿泊している囲碁バカ達には、そんな情緒を楽しむ
輩は一人もいなく、暴走しまくり状態だ。

宴会会場から遠く離れた温泉浴場。もくもくと湧き上がる湯気の中、蠢く二人
の人影──アキラとヒカルがいた。
ヒカルは浴場のタイルの上にアキラを仰向けに寝かせ、アキラの両足を自分の
肩に掛けた。そしてアキラの尻を両膝にのせ、その姿勢のまま膝を立て、
やや前屈みの格好で思う存分アキラの中の感触を楽しんでいる。

「あっ、だ、ダメだ・・・んっ・・・あぁっ」
「駄目だなんてよく言うぜ! 
お前の中、オレの物をキツく締めつけているクセに。
塔矢の駄目って気持ちイイってことだろ?
なあ塔矢、駄目は気持ちイイの裏返しなんだよな」
「ち、ちが・・・・ああっ!」
小刻みに絶え間なくアキラの柔らかな体内にヒカルは攻めたて、アキラの言葉
を無理矢理遮った。
必死に歯を食いしばっても我慢出来ずに声を上げてしまい、恥ずかしさの
あまりに顔が赤くなるアキラの表情を満足気に『してやったり!』とヒカルは
ニンマリ眺める。


(15)
ヒカルにっとっては幸運にも温泉浴場には誰も来なかった。
──と言うか、囲碁バカ達がこの温泉施設を貸切にして、皆が宴会会場に集って
いるだけなのだが。

「あぁ・・・・進藤・・・・ボ、ボクもう・・・・・・・・・」
「塔矢、オレもだ」
アキラの両腕がタイルから離れて宙を彷徨い、何かを探している。
「・・・・・・進藤・・・進藤、・・・し、進藤・・・・・・」
それに対し、ヒカルはさらに自分の体を前方に倒す。アキラの手がヒカルの顔
を探し当てると、とても強い力でヒカルの首に抱きついた。
結果的にさらにヒカルがアキラの中により深く挿入する体勢になり、ヒカルの
首に抱きつくと同時に、悲鳴に近い声をアキラは喉奥から張り上げ浴場内に
響かせた。
「──進藤!」
「ああ、とっ、塔矢ぁあ〜」
お互いの体をぶつけ合い、まさにフィニッシュ目前の二人を前に、浴槽内から
いきなりザバーン!!と大きな水音が立った。
思わずアキラ・ヒカルの二人は動きを止め、浴槽の方に顔を向けると、そこに
は酸素ボンベを背負い、目にはゴーグルを当て、すっぽんぽんで両手を
バンザイポーズをとる二人の少年の姿が現れた。

<やっぱり温泉は気持ちいいなあ、なあ秀英>(←※韓国語)
<うん永夏。でも長い時間温泉に潜っていたから、さすがにのぼせたよ>
アキラとヒカルはいったい何が起こったのかすぐ理解出来なく、タイルの上で
繋がったまま顔を引きつらせカチーンと氷のように凍りつき、そして赤毛の
マツゲと、小柄の韓国版きのこカットをただボーゼン見ていた。



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