平安幻想異聞録-異聞- 番外 14 - 15


(14)
その男の指が体の奥に入って来たとき、ヒカルは正直言って、少し安心したのだ。
今度は、きつく押し広げるような重量感のある、男のモノではない。
少しは休めるかもしれない、と、夢うつつのような意識の中で思ったのだ。
だが、それが甘い考えだったことはすぐにわかった。

ヒカルの中に入ってきた指は的確に急所をついてきた。
先のまぐわいで最後まで到達していないヒカルの体は、やすやすと
快楽と痛みが交じり合った、混濁の海に放り込まれたが、
男の指は、それ以上強く突く事も圧迫することもなくゆるゆると内壁を撫でている。
それに気を抜いた瞬間に、一番よく感じる場所を強く押された。
思わず悲鳴があがった。
秘口付近を撫でるように愛撫しては、奥に差し込み、ひいては、突然急所を突き上げる。
乳首を乱暴になぶられる痛みさえ、しびれになって背筋をかけのぼる。
「あぁ、あ、……や……っ!」
急所を突かれるたび、ピクリピクリと足が跳ね上がるのが止められない。
「ぼうず、極楽を見せてやるぜ」
男が耳元でささやいた。


(15)
男の指が奥に差し込まれる。敏感になった内壁を摺り上げるようにして、
指をギリギリまで抜いてしまう。
かと、思うと、奥までさしいれ、指先で内壁を強く突き、なぶり、こねまわし、
ヒカルに身もだえするような快楽と刺激をあたえて、今度はわざと、
その周辺の急所をわずかに外した場所を、2本の指をばらばらに動かして刺激する。
「あんっ、……ん、……や、やぁ、っはんっ…………ひっ」
その手管にヒカルは、もだえ、あえぎ、身をよじる。
その秘門の内の肉は、今や、わざと場所をはずした男の攻撃を責めるように
そのの指にからみついていた。
「おねだり上手じゃないか」
男は笑いながら、2本の指をヒカルの中の急所に乗せると、
おもむろに2本の指でその部分の肉を挟んだ。
「いや、あぁぁ!! あぁぁっ」
ヒカルの体が大きく反り返った。
「や、やぁぁっ、あん、あっ…あぁっ」
「おねだりをきいてやったつもりなのに、いやなのかい」
そういいながら、今度は間断なく、ヒカルを攻める。ヒカルの中の壁の肉を、
2本の指ではさみ、なぶり、掻き出すように折り曲げて強くこする。
「ぁっっ、やだ、やっ……やっ…はん……あぁっ!」
男の休みない攻めに、飲み込みきれなかった唾液が少し、ついっと、
ヒカルの口の端からこぼれた。
男の緩急をつけた攻めの手管に乱されていくヒカルの痴態に、
まわりの男達が、ごくりと生つばを飲み込んだ。
「やだっ、あぁ、……は……」
「言うことをきいてやったのに、いやだとは、わがままなお子じゃのう」
中の男の指の動きが強くはげしくなった。
男は今度は指を止める気はないようだった。
ヒカルは、その男の指にいいように悲鳴を上げさせられた。
そして、先にイキそこねていた体は、これ以上ないほど敏感になっていた。
「あぁぁ、あぁ、やぁ、あ、…あぁぁぁ!」
その秘門はいつのまにか、男の指を放すまいとするようにきつくと銜え込んで、
しめつけている。
男の指が、ヒカルの肉壁をこれでもかとねぶる。
もう少しでヒカルが達しようというその時だった。
と、突然、その指の動きが泊まった。



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