sai包囲網・中一の夏編 14 - 16


(14)
「やめろ!塔矢、汚ねぇてば、塔矢!」
「黙れよ」
「やめろって!」
 それでも止めずに舌を這わせたり、指を銜えたりしているうちに、喚
き散らしていた進藤の声が段々と掠れ、湿ったような吐息が混じり始め
て来た。
「はぁ、ん、やめろ・・・」
 見上げる進藤の表情はどこかぼうっとして、視点が定まっていない。
正直、足の指だけでこんなに感じるなんて、思ってもみなかった。進藤
の感度がいいのか、それとも誰でもそうなのか、今は確かめる手だても
ない。なら、そんなことにはかまってるより、目の前のことに集中した
方がいい。
「ん、ふ・・・」
 唾液に濡れ、ブラインドの隙間から注ぐ太陽光を弾く白い足に、まる
で違うものを舐めているような気分になる。
 足首から下に余すことなく愛撫を施し終わった頃、進藤はぐったりと
その小さな身体をソファに沈めていた。まだTシャツと下着はつけてい
るものの、だらしなく白い脚の内側が晒され、片方だけ残った靴下が、
余計に淫らな行為をしているのを感じさせた。
 半分放心したようなピンクの頬を軽く手の甲で叩いて、こちらに意識
を戻す。
「進藤、見てごらんよ。キミのここ、どうなってる?」
 指さした彼の身体の中心の反応に、進藤が声もなく目を見開いた。


(15)
「やっ・・・!?」
 もし、両手が自由に使えたら、すぐにでも覆ってしまいたいだろう。
隠しきれない高ぶりに、進藤の爪先から耳たぶまでが真っ赤に染まる。
いっそ潔いくらいの顕著な反応に、思わず笑ってしまった。
「進藤は敏感だね」
「おま、お前が変なとこ、舐めるからだろ!」
「じゃあ、今度は他のところにしようか?」
「えっ?」
 抵抗する暇も与えず、残っていた下着を膝まで引っ張り下ろす。薄く
残された脚の付け根の水着の痕。まだ産毛の延長のような茂み。そこを
指一本で辿りながら、先端を濡らし始めている進藤のものを口に銜えた。
「塔矢!」
 驚愕、非難、苦痛。その全てが混じったような甲高い悲鳴。こんなに
簡単に他人のものを触れることができるとは思っていなかった。いや、
他人じゃない。進藤の心も身体も、全てボクのものだ。どこかにそんな
意識があって、ほとんど抵抗なく口にすることができたのかも知れない。
「やだ、塔矢!」
 他人に性的な施しをした経験はないけれど、ボクは自分でも耳年増な
自覚はあった。幼い頃から家に出入りする門下生たちが、酒の席やちょ
っとした冗談に紛れて零す、淫靡な会話。そのときは意味すら分からな
かった内容が、後で霧が晴れるように理解できて思わず赤くなったこと
もあった。そして、ボク自身が性的な欲望の対象として見られていたの
に気がついたのも、ずっと後だった。父や門下生の筆頭である緒方さん
が睨みを効かせてくれなかったら、どうなっていたか。芦原さんが宴会
の度に、まるでボクの保護者のように付き添っていた意味も、今なら分
かる。


(16)
 だけど、進藤。ここには、キミを庇護してくれる者は誰もいない。
「はぁ、あぁ・・・ん」
 刺激を紛らわそうと、進藤が唯一自由になっている上半身を反らし、
何度か小さな頭を振り乱す。それに添うように、柔らかそうな明るい色
の前髪が額や頬にかかって、うっすらと滲み出る汗に張りつく。
 丸みのある頬、忙しなく息を吐く小さく柔らかい唇、涙で濡れて色を
濃くした長い睫毛。同い年のボクより幼い印象のあった進藤がまるで違
う生き物に生まれ変わってしまったように見える。
 そう。そして、ここも。口から離した進藤の性器は、初め見たときの
淡いピンクから赤く色を変え、大きく張り詰めていた。だけど、先端に
薄い膜が被さったままだった。
「進藤、自分で触ったことがないの?」
「な、何?」
「これ、だよ」
「痛っ!やっ!」
「動くなよ」
「いてっ、やだ、やだぁ」
 進藤の悲鳴を無視して、軽く力を入れて包皮を反転するように捲って
いくと、やっと頭が飛び出て来た。そのままにしておいても、再び潜っ
てしまう気配はない。
 もう一度舐めようとして、さっきまで煩いほどだった進藤の声が聞こ
えなくなったことに気がついた。ぽつりぽつりと、何かが柔らかい太股
に滴り落ちて来る。
「進藤?」
「ふっ、えっ・・・」
 見上げた進藤の目には、泉のように透明な涙が溢れ、頬や顎を濡らし、
零れていた。



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