平安幻想異聞録-異聞- 144
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座間の政治取引の材料として、自分はこの三人の男達に売られたのだ。
そういえば、三人のうち一人には見覚えがある。昼間、座間と話していた男だ。
そうとわかって、黙ってじっとしているほど、ヒカルは人間が出来ているわけ
ではない。
朦朧とする意識にむち打つ思いで、必死に肩に回された男の腕の中から逃れた。
勢いで近くにあった灯明台が倒れる。
油がこぼれて、僅かに炎が広がりかけるのを、公卿のひとりは、近くにあった
円座を使ってあっさり消した。部屋の暗さが増した。暗さになれない目のせいで
自分の位置も、男達の位置も判らなくなったところを、公卿のうちの誰かに
腕をつかまれた。
「わしらが怖いか。そう怖がらんでもいいわい。愛いのう、愛いのう」
3人の公達が、ヒカルの体にむしゃぶりついた。
暴れるヒカルの体を床に押さえつけ、我先にその服を脱がせにかかる。
ひとりが、まだ上の衣も脱がせ切らぬままのヒカルの胸の乳首に、性急に
歯をたてた。
「ああっ!」
薬と香に侵されたヒカルの体はそれを強い快楽としてうけとった。
違う男が太ももにすがりつき、敏感なその内側に口付け愛撫する。
振りほどこうとするヒカルの足をもうひとりの男がおさえ、その男は、
そのままヒカルの柔らかな脇腹にかぶりついた。
「あ……だめ、…だめ…ぇ…」
それは、男達を押しとどめようとする「駄目」ではなかった。薬のせいで
過敏になり、男達の手管のままに快楽の沼に落ちていこうとする自分の体に
対する「駄目」であった。
だが、ここまで進んでしまって、今のヒカルの体がそのまま満足する筈もなく、
意に反して皮膚という皮膚が与えられる快楽を求めてざわめきだしていた。
「や……あ……あ……」
3人の男達によって体中から与えられる快感に、体が喜ぶのが止められない。
「愛いのう、愛いのう」
男達が、ヒカルの体中に手と舌を這わせる。
その舌のひとつが、ヒカルの秘門に触れた。
じん、とヒカルの体をしびれが駆け登った。
男が卑猥な音をたてて、そこを舌でほぐしていく。
ヒカルは声が止められない。
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