初めての体験 144 - 147
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「あれ?」
ブックマークしていたアドレスに飛ぶと、そこには“Not Found”の文字が現れた。
アキラは溜息を吐いた。そこはアキラにとって第二のお気に入りのサイトだった。いつも
訪れるサイトに新しいリンクが張られていたので、好奇心からそこに飛んだのが、始まりだった。
なんと言っても名前がよかった。
「閉鎖したんだ…………すごくよかったのに……“ヒカルちゃんのお部屋”………」
そのサイトの管理人は、ヒカルのコアなファンらしく、隠し撮りしたヒカルの写真が
掲載されていた。本人もとられたことを気づいていないであろう写真を、アキラもいくつか
手に入れている。しかも、裏には、ヒカルの女装写真が……………。こちらは、アイコラである。
だが、自然な仕上がりで「ヒカルは本当は女の子」と、言われても誰も疑うものはいないだろうと
思うくらいの出来だった。
新作が上がるのを楽しみに待っていたのに…………。
「しょうがないか………」
まあ、ヒカルの女装写真なら、自分にも作れないことはないと思う。何せ自分はこだわりの
AB型。あのサイトに負けないくらいの職人技を極めてみせる。
「それに……………」
もしかしたら、ヒカルだって、頼めば女装くらいしてくれるかもしれない。
アキラは、ブックマークから、アドレスをはずした。
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「ヒカルちゃんはダメだ………」
男は、ブツブツと呟きながらキーを叩いた。部屋の中は、男の独り言とパソコンのキーを
叩く音しか聞こえない。
「やっぱり、あの子の方がよかった………」
そう、プライドが高くて高飛車だけど、本当は寂しがり屋のお嬢様。
最後にタイトルのタグを打ち付ける。男がブラウザを立ち上げ、新しいホームページの
出来映えを確認した。
画面いっぱいに、タイトルが映し出された。
アキラ様のお部屋――――――男の新しい城の名前である。
おわり
++++++ おまけ分岐 ++++++
ヒカルちゃんは処女ではなかった。
どうしますか?
A:詐欺だ!暴れる >142へ
→ B:全然オケーノープロブレムがんがん行くよ >146へ
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「アァ………はぁン……」
男の指の動きにあわせて、腰が揺れる。
「ん……イイ……」
もう、この際誰でもいい――――――ヒカルはそう思った。
「ん!んんん………あぁん……」
ヒカルは喘いだ。早く、早く欲しい。
男の指がリズミカルにヒカルの内部を擦り上げる。
「ひゃあん!」
華奢な太腿の間で揺れているヒカル自身は、今にも弾けそうになっていた。スカートには
不釣り合いなそれを、男が空いている方の手でソロリと撫で上げた。
「や!出ちゃう………アァ…!」
ヒカルはシーツを握り締めた。
熱いものが男の手を伝って、ヒカルの腿を汚していく。
「ハ…ふぅ…」
顔を押しつけていた部分が、微かに濡れている。きつく閉じられた瞼をゆっくりと持ち上げると、
睫に溜まっていた涙がシーツに新しい染みを作った。
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快感と屈辱と自分に対する嫌悪感に震えるヒカルの背中に、男が覆い被さってきた。
「ヒカルちゃん、初めてじゃないんだ?」
耳元でそう囁かれて、ヒカルは頬を朱に染めた。
「初そうに見えたのに………意外だなぁ………」
男はジェルで濡れた指先で、ヒカルの胸をまさぐってきた。
「はぁ…ヤダ……」
ヒカルは小さく首を振って、男の腕から逃れようと藻掻いた。
「可愛い……こんなに可愛いのに…もう、経験済みだったんだね?」
腕の中の小さな抵抗を男は愛おしそうに、抱きしめる。
「そうだよね。こんなに可愛いんだから、他のヤツが放っておくわけないよね?」
両手でヒカルの胸を揉みながら、耳たぶを噛んでくる。
「ここ、舐められたことある?」
胸の突起を押しつぶされる。
ヒカルは喘いだ。静まったはずの身体が再び熱くなり始めている。
「あるに決まっているよね……じゃあ、ここはどう?」
男は、片手を下腹部へと移動させ、ペニスを握り込んだ。
「ひぃ!いやぁ!」
男が軽く手を上下させると、それは徐々に形を変え始めた。
「もう、二回もイッてるのに………ヒカルちゃんて結構インランなんだね?」
その言葉にヒカルは本気で泣きたくなった。それを否定するつもりはないが、こんな変質者に
言われたくはなかった。
「ン………んふぅ……」
それでも、唇からは快感を示す嬌声が吐き出されるだけだった。それが、また、焼かれるような
羞恥でヒカルの身体を覆おうとするのであった。
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