平安幻想異聞録-異聞- 148


(148)
うつぶせに大きく胸を喘がせているヒカルは、単衣の前身ごろをきつく握って
それに抗う。なおも強引に、胸元のヒカルの手を引きはがそうとした公卿は、
他の公卿に止められた。
「無理矢理というのも風情のないことよ。このままでも十分に物狂おしい様子
 ではないか」
ヒカルは着衣の襟の合わせのあたりを押さえ、半身をかばうように体を丸め
ていたが、その着物の裾は、最初の立て続けの乱暴な情交のせいで、乱れ、
はだけられていた。
「河原の遊女もかくやという様よ」
太もものかなり上の方までずり上がり、グシャリとシワがよって、ヒカルの足を
夜目にさらす単衣の裾は錆びた鉄を思わせるひなびた辰砂の赤い色。
その裾からすんなりと延びる無駄な肉のついていない、白蛇のようになめらかな足。
しかも、その肝心の足の根元の方は、微妙に布に隠れていて見えそうで見えず、
そのほの暗い奥にあるだろう果実の味は、公卿達の淫靡な想像力を、なまじっか
全てを目の前にはだけられた時よりも燃え立たせたのだ。
情欲に駆られて男達は生つばをのんだ。
船遊びで、男を誘う遊女さながら。
「緋色の袴を着せれば、さそや似合うであろうよ」
赤い袴は遊び女の印だ。
一番年長の男が、誘われるように思わずといった手つきでヒカルの足に触れた。
ヒカルは丸めていた体をますます小さく縮めた。
「なんじゃ、拗ねておるのか。わしらの方が先にいい思いをしてしまったからのう。
 すまんことをした」
男の手が、ヒカルの膝のあたりから、太ももを這い登り、ついに、辰砂の単衣の影に
隠された部分に忍び入った。



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