検討編 15
(15)
「気持ちよかった?」
「……うう…」
「よくなかった?ボクはキミにしてもらってすごく気持ちよかったけど。」
「…う……そりゃ…よかった、けど…」
「それはよかった。」
ヒカルの答えに満足して、晴々とアキラは笑った。
だがそんなアキラの(ちょっと場にそぐわないような)晴れやかな笑顔に、ヒカルはがっくりと肩を落とした。
ああ。ほんのちょっと前までのあのムードはどこに行っちゃったんだろう。
なんでこんなんなっちゃったんだろう。
なんだよ、塔矢の奴。ついさっきまでは目ぇうるうるさせて、半分泣き声で「しんどう…」なんて言ってたくせに、
すんげぇキレエで、色っぽくて、でもって可愛くて、なんかもぉ、オレ、どうしたらいいかわかんないってくらい
だったのに。
なんだよ、コイツ、立ち直り早すぎだよ。可愛くねぇ。クソ。
そりゃあ、そりゃあ確かによかったけどさ、すんげぇよかったけど、やっぱ自分でするのなんかとは全然違うし。
だってまさか塔矢が。
塔矢が?塔矢だぞ?あの、塔矢が。おい、ちょっと待て。信じられるか?あの塔矢が。
う、うわわっ、ヤベェ、思い出したらまた元気になっちゃいそうだ。
っつっても、もっかい、なんて言ったらきっとまた怒る。ましてや挿れさせてくれなんて言おうもんなら。
「なあ、塔矢ぁ、」
呼びかけながら顔をあげたヒカルは絶句した。
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