肉棒だらけの打ち上げ大会 15


(15)
ヒカルにっとっては幸運にも温泉浴場には誰も来なかった。
──と言うか、囲碁バカ達がこの温泉施設を貸切にして、皆が宴会会場に集って
いるだけなのだが。

「あぁ・・・・進藤・・・・ボ、ボクもう・・・・・・・・・」
「塔矢、オレもだ」
アキラの両腕がタイルから離れて宙を彷徨い、何かを探している。
「・・・・・・進藤・・・進藤、・・・し、進藤・・・・・・」
それに対し、ヒカルはさらに自分の体を前方に倒す。アキラの手がヒカルの顔
を探し当てると、とても強い力でヒカルの首に抱きついた。
結果的にさらにヒカルがアキラの中により深く挿入する体勢になり、ヒカルの
首に抱きつくと同時に、悲鳴に近い声をアキラは喉奥から張り上げ浴場内に
響かせた。
「──進藤!」
「ああ、とっ、塔矢ぁあ〜」
お互いの体をぶつけ合い、まさにフィニッシュ目前の二人を前に、浴槽内から
いきなりザバーン!!と大きな水音が立った。
思わずアキラ・ヒカルの二人は動きを止め、浴槽の方に顔を向けると、そこに
は酸素ボンベを背負い、目にはゴーグルを当て、すっぽんぽんで両手を
バンザイポーズをとる二人の少年の姿が現れた。

<やっぱり温泉は気持ちいいなあ、なあ秀英>(←※韓国語)
<うん永夏。でも長い時間温泉に潜っていたから、さすがにのぼせたよ>
アキラとヒカルはいったい何が起こったのかすぐ理解出来なく、タイルの上で
繋がったまま顔を引きつらせカチーンと氷のように凍りつき、そして赤毛の
マツゲと、小柄の韓国版きのこカットをただボーゼン見ていた。



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