Shangri-La第2章 15


(15)
アキラは夢中で、微かに感じる温もりに手を伸ばしていた。
その温もりが何で今どういう状況なのかは全く分からない。
気がついたら、少し温かかった。その温かさがもっと欲しくて
手を伸ばしてはみたが、それは背中にあったせいか
伸ばしたはずの手は何度も空を切り、なかなか届かない。
アキラは癇癪を起こしたように、ぶんぶんと手を振った。
その手に確かな質感のある手が重なり、アキラの手は脇腹に置かれた。
その温かさは幻ではなかった。安堵して、アキラは更なる温もりを願った。
――願いはすぐに叶えられ、少し窮屈だが温かいばかりの場所に匿われた。
これまでいくら願っても与えられることのなかった温もりの中で
全身から力が抜け落ちていく感覚が心地よかった。



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