弄ばれたい御衣黄桜下の翻弄覗き夜話 15


(15)
男のくせに、股や乳首を責められて、簡単に快楽を覚えることも。
ほんの些細な愛撫への過剰な程の感応も。
そう考えればすべてが納得がいくのだ。
誰か知らない男がこの柔らかい肌に、快楽を刻み、抱かれることの味を覚えさた。
そして、後腔への挿入を官能に変えることが出来るよう、この体をしこんだのだ。
知らない男――いや、もしかしたら知っている男かもしれない。
「もう一度聞くぜ。お前を抱いてたのは誰だ?」
自分の中のそれが、熱と固さを取り戻していることに気付いているだろうに、
ヒカルは恐れげもなく、冷たい目で門脇をじっと見ている。
「そうかよ。それが返事かよ」
処女かと思った女子高生に騙されたようなものだった。
「自分から、言いたくなるようにしてやるよ」
男など知らないだろうと思って抱き留めたその少女の体が、実は援助交際まみれだと
知らされた時と同じような屈辱と怒りが、門脇を突き動かしていた。とんだ売女だ。
門脇の腰が再びヒカルの尻に打ち付けられ始めた。
ほんのりと外灯の明かりが辺りを照らし出すだけの、夜の闇の中で、肌と肌が
ぶつかる音だけが鈍く響いた。
先の情交で門脇自身が放ったもので、ヒカルの中はぬるぬるしていて、ずっと
動かしやすくなっている。
進藤ヒカルは、今までに誰を、あるいは何人をここにこうして受け入れたのか?
そう考えながら挿入を繰り返す門脇だったが、不思議に先程ほどには、ヒカルが
感じている様子がない。
ただ眉を寄せ、しかたなく門脇が終わるのをまっている風に、目を閉じ、顔を
背けているだけだ。
(くそっ)
いったい、さっきと何が違うと言うんだ。



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