魔境初?トーマスが報われている小説(タイトル無し) 15
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声には出せなかったけど、俺の思いは和谷に伝わったらしかった。
「良かった。なら…いい?」
そう言って、和谷は俺の両足を持ち上げて、俺の身体をふたつに折り畳んだ。俺の目のすぐ脇に、ふくらはぎが見えた。
そして目線を落とすと、こんどはこっちを向いている俺自身のモノ。
「嫌、だ…なんか、潰れたカエルみたいで……」
とにかく、こんな体勢を和谷に晒しているのが耐えられない。たとえ、和谷がとらせたものでも。
和谷はちょっと目を瞠って、それからふっと笑った。
「そっか? 俺は扇情的だと思うけど。それにこれだけ足を持ち上げないと、挿れるのが難しいんだよ」
「でも嫌だ。後ろからとかでもいいじゃん」
「バックは初心者には辛いんだって。……そうか、これならいいだろ?」
言うなり和谷は俺の腕をぐいっと引っ張って、俺を起こした。
そして膝の上に座らせた。ただし向かい合った状態で。
もの凄く和谷の身体に密着した状態だ。しかもさっきから和谷のモノが、俺の太腿に当たってる。
これって、もしかして。
「騎乗位って、あんがい楽なんだと。 重力あるから挿れやすいって」
「挿れやすいって……」
「大丈夫、俺が挿れるから」
熱くて硬くて大きいものが、解された場所にあてがわれた。
やっぱり怖いけど。不安がないって言ったら嘘だけど。
だけど ―― 目の前に和谷の顔があるから。
覚悟を決めて、なるべく硬くならずに入ってくるのを待った。
「進藤、好きだよ。……愛してる」
「ひあぁぁぁぁ…っ! わ、やぁっ!!」
痛い熱い痛い。
「大丈夫、大丈夫だから」
苦しい痛い苦しい。
「ほら、最後まで入ったから。わかるか?」
涙はもう滝みたいに流れっぱなしで。もしかしたら鼻水とかも出てて、たぶん顔はみっともなくぐちゃぐちゃで。
「大好きだよ、進藤」
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