初めての体験 150
(150)
ヒカルは確かに初めてではない。この年の少年にしては、経験は多すぎるくらいだと思う。
だが、好きでもない相手に平気で身を任せることが出来るほど、ヒカルはスレてはいなかった。
たかが、セックスと単純に割り切ることなど出来ない。
それなのに、男に嬲られて簡単に陥落してしまった自分の身体に腹が立った。すっかり内部に
収まってしまった男の熱がヒカルを煽る。その大きさに、ヒカルの心臓は今にも止まって
しまいそうだ。
「うぅ………うん………」
男が小さく抜き差しを始めると、ヒカルは切れ切れに小さく息を吐いた。
「ヒカルちゃん、感じやすいんだね…ココすごく柔らかくて…こっちもトロトロ…」
ヒカルの前に手を添えて、自分の動きに合わせて擦り上げる。
「あ、あぁん…!ふ…」
「ねえ…ココで何回くらいした?」
突き上げながら、とんでもないことを訊ねてくる。ヒカルは、小さく喘ぎながら首を振った。
そんなこと聞かれる筋合いはないし、答えたくもない。
男はそれをどう受け取ったのか
「そっか〜数え切れない位したんだ………」
と、感心したように言った。ヒカルはその言葉にカッと身体が熱くなった。
男が喉の奥で微かに笑った。
―――――わざとだ…………
ヒカルが答えられないことを知っていて、恥ずかしい質問を訊いているのだ。
男にいいように扱われている自分が情けなかった。そして、そうされることで、身体の
奥に疼くようなもどかしい感覚が湧き起こるのを認めることがイヤだった。
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