初めての体験 153


(153)
 「う………うぇ………ふぅ……」
ヒカルは堪えきれず、しくしくと泣き出してしまった。男はヒカルの細い身体を抱きしめ、
息を整えている。首筋にあたる生暖かいそれが、気持ち悪い。
「もう…いやだ………離して……」
ヒカルはまだ、男に貫かれたままだった。
 男は無言だった。
「帰してくれるって言ったじゃん………もう、帰してよ…」
泣きながら訴えるヒカルを無視して、男は再びゆるゆると腰を動かし始めた。
「ア……!いや、いや、ヤメロ!バカ……!」
「ヒカルちゃん…もうちょっと…もうちょっとだけ……ヒカルちゃんもまだ足りないだろ?」
男はそう言って、ヒカルの一番弱いところを埋め込まれた心棒で軽くつついた。
「あ……」
ヒカルは反射的に身体を強張らせた。それが、内部にいる男を強く締め付ける。
「アァ…いいよ…ヒカルちゃん……」
男はうっとりとヒカルを見つめ、軽く腰を揺すった。
 ヒカルは顔を背けた。男の行為は、ヒカルの意志と無関係にその身体を昂ぶらせて行く。
「あ…ふぅ……やめろ……ヤメロったら……!」
仰け反らせた白い喉に、男がむしゃぶりついた。
「ン……いや…」
大きな掌が忙しなく胸元を這い回る。
「イイ……すごくイイよ…ヒカルちゃんのココ…」
ヒカルの気持ちなどお構いなしに、ガンガンと腰を打ち付けられる。ヒカルは泣き叫んだ。
全身を強張らせ、男を拒否しようとするが、それは却って相手に深い快感を与えただけだった。
 「やだぁ…たすけて…たすけてぇ…――ゃ…!」
助けなど来ないことはわかっていたが、ヒカルは必死に叫んだ。助けを求めずにはいられなかったのだ。
 そのとき、ほんの一瞬だけ男が動きを止めた。だが、ヒカルが息を吐く間もなく、
再び深く抉られた。
「――――――――――――!」
ヒカルの身体は硬直し、そのままゆっくりと弛緩していった。



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