初めての体験 155
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男は脱力しているヒカルの身体をあれこれ弄くりまわし、ポーズをつけさせる。
「今日の記念に撮らせてね。」
と、デジタルカメラでヒカルの痴態を撮影し始めた。
胸を大きくはだけさせたり、足を立てさせたり、白い液体で汚れたヒカルの身体を容赦なく
カメラに納めていく。それに逆らう気力はヒカルには残っていなかった。
男がヒカルを解放してくれたのは、完全に夜が明けてからだった。男は嫌がるヒカルを
無理矢理、自動車に乗せた。男は最初に言った言葉通り乱暴な真似をせず、むしろ大切に
扱った。朝食にと、大量にパンだのおにぎりだのを買ってくれたが、だからといって、
それを食べる気分には、到底なれなかった。
「着いたよ。」
ヒカルが何も言っていないのに、男はヒカルの自宅近くの公園に車を止めた。どうやら、
ヒカルの自宅も行動範囲もすべて調査済みらしかった。
無言で車を降りるヒカルを男が呼び止めた。
「あのさぁ、僕が言うのも何だけどね………」
ヒカルが、不審そうに男を見た。
「ヒカルちゃんみたいな可愛い子は夜遅く出歩かない方がイイよ。でないと、怖いヤツに
攫われちゃうかもしれないからね?危ないだろ?」
男は、心底心配しているかのように、眉を寄せてヒカルに忠告した。そして、茫然自失の
ヒカルに向かって、「それじゃあ」と、さわやかに別れを告げるとそのまま車で走り去った。
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