無題 第2部 16


(16)
イベントの間は、昼食の時も、ヒカルと話をする事はなかった。アキラはほとんどずっと主催者達
と一緒にいたし、逆にヒカルは若手―つまりは一般的にはまだ子供の―棋士達の輪の中にいた。
イベントが終わって、真っ直ぐ帰ろうとしたアキラの元に、ヒカルが駆け寄ってきて声をかけた。
「塔矢、久しぶりだな、挨拶くらいしろよ。」
明るく屈託のない笑顔がなんだか眩しく見えて、アキラは目をしばたかせた。
「この間、風邪ひいて手合い休んだんだって?ちょっと痩せたんじゃないか?」
だが、そんなアキラに気付きもせず明るく話し掛けてくる進藤に、無理に笑みをつくって応えた。
「そうかな。もう何ともないんだけど。」
「そう言えばさ、塔矢先生中国に行ってるんだって?もうずっと?長いの?」
「うん、母も一緒に行ってるよ。時々は帰ってくるけど。」
「そっか、じゃあ、塔矢、今一人なんだ。それって寂しいよな。」
何故だか急に、ヒカルは沈んだ様子になった。



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