sai包囲網・中一の夏編 16


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 だけど、進藤。ここには、キミを庇護してくれる者は誰もいない。
「はぁ、あぁ・・・ん」
 刺激を紛らわそうと、進藤が唯一自由になっている上半身を反らし、
何度か小さな頭を振り乱す。それに添うように、柔らかそうな明るい色
の前髪が額や頬にかかって、うっすらと滲み出る汗に張りつく。
 丸みのある頬、忙しなく息を吐く小さく柔らかい唇、涙で濡れて色を
濃くした長い睫毛。同い年のボクより幼い印象のあった進藤がまるで違
う生き物に生まれ変わってしまったように見える。
 そう。そして、ここも。口から離した進藤の性器は、初め見たときの
淡いピンクから赤く色を変え、大きく張り詰めていた。だけど、先端に
薄い膜が被さったままだった。
「進藤、自分で触ったことがないの?」
「な、何?」
「これ、だよ」
「痛っ!やっ!」
「動くなよ」
「いてっ、やだ、やだぁ」
 進藤の悲鳴を無視して、軽く力を入れて包皮を反転するように捲って
いくと、やっと頭が飛び出て来た。そのままにしておいても、再び潜っ
てしまう気配はない。
 もう一度舐めようとして、さっきまで煩いほどだった進藤の声が聞こ
えなくなったことに気がついた。ぽつりぽつりと、何かが柔らかい太股
に滴り落ちて来る。
「進藤?」
「ふっ、えっ・・・」
 見上げた進藤の目には、泉のように透明な涙が溢れ、頬や顎を濡らし、
零れていた。



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