平安幻想異聞録-異聞- 番外 16
(16)
(もどかしい)そして、そう思った自分にヒカルは、わずかに残った
意識の端でゾッとした。
こんな風に男達に陵辱されて、自分はどこかおかしくなってしまったんじゃ
ないだろうか。
男が笑う。
「わがままなお子には、お仕置きが必要じゃのう。
欲しいのか欲しくないのかどっちじゃ。はっきり言えたら褒美をやるぞい」
男がわざと急所を外して、指をうごめかす。過敏になっている体は
そのわずかの刺激にも跳ね上がる。
「あぁっ」
「上の口は強情だが、下の口は素直じゃのう。からみついてくるぞい」
男の指が、じらすように、わざと急所のまわりだけをやわやわと圧迫する。
「いや、あぁぁ」
ヒカルは身をよじった。欲しい、と思った。まわりじゃなく、ちゃんと
そこに触れて欲しい。
(いやだ)心が悲鳴をあげた。
だけど、体中が熱かった。この熱をどうにかして欲しかった。熱くて…くるしい。
男の左手がいやらしくヒカルの限界まで屹立したものをなであげた。
「ん……く…」
同時に中をゆっくり男の指が行き来する、行き来するたびに、ヒカルの
一番感じる所のそばを掠め、その動きに、わずかなヒカルの意識も、
すぐに濁らされていく。
どうでもいいと思った。自分のわずかな矜恃も。男に犯されているという現実も。
ただ、この熱い泥に埋められたような苦しさから解放して欲しかった。
男が突然、内壁の一点を強く人差指でついた。欲しかった快楽に、
ヒカルは悲鳴をあげて、身を震わせた。
イカせて欲しい。お願いだから。
男がもう一度、こんどは2本指をそろえて駄目押しとばかりに、その場所を強く押した。
ヒカルが体を跳ねさせる。
そうして、ついにヒカルが堕ちた。
「欲しい……」
言った途端、ヒカルの目からポロポロと涙が伝い落ちてきた。
もう止められなかった。
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