弄ばれたい御衣黄桜下の翻弄覗き夜話 16
(16)
門脇はいらだたしく、思考をめぐらす。さっき自分は、女を抱くときと同じやり方で、
ヒカルの体を責め立てていた。女の膣の中というのは、闇雲につけばいいという
わけじゃない。快感のスポットというものがある。つまりきっと、男同士のアナル
セックスでも同じように、快感のツボのようなものがあるのだ。
――逆らいきれない、その場所が。
門脇はその場所をさがして、あちこちと角度を変えて、深く浅く挿入してみる。
少し腰を落とすようにして、斜め上に向かって突き上げた時に、その反応はあった。
もっと深く腰を入れ、その場所をもう一度、自分の尖端で撫でるようにしてみると、
ヒカルが眉間にしわをよせ、肩をよじるように蠢かした。
「なんだよ、ここがいいのか?」
その門脇の問いに対して、ヒカルは違うというように首を振ったが、体は嘘が
つけなかった。先程と打ってかわって、そこを突かれる度に、上気して色を増す
その頬が、喉の奥から漏れ聞こえる甘いうめきが、正直にその快楽をあらわして
いた。下肢の中心のモノもたち上がり始めている。
(なるほどね)
女ならGスポットと呼ばれるその場所は、男ならちょうど前立腺の後ろあたりだ。
さっきは女を抱くときと同じことをしていたせいで、無意識にその場所を責め立てて
いたのだ。
しかし、それがわかってしまえばこっちの物だ。
門脇は、雁首の段差をつかって、そこを集中的に犯した。
弱点を知られた体はすぐに陥落し、顔をしかめ、辛そうに首を左右に降るヒカルの口
からは、次々と喘ぎ声がこぼれはじめた。
頬に差し始めた紅みは、耳まで広がっている。
「いい顔になってきたじゃねぇか」
その門脇の言葉はヒカルの耳に届かなかった。
すでにヒカルは、門脇の下でなすがままに声を上げさせられていた。
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