しじま 16


(16)
すぐ近くで名前を呼ばれた。
ボクはいつのまにか目を強くつむっていたらしい。
まぶたを開くと、進藤が目のまえにいた。
「入れていいか?」
ボクのふとももに、進藤の硬くなったそれが当たっている。温かい液体が肌のうえを流れて
いくのを感じた。
かすかにうなずいた次の瞬間、覚えのある激痛が全身をつらぬいた。
「とうやっ……力を抜いて……!」
無理だ。やっぱり痛い。ここはもともと受け入れる器官じゃない。だから和谷だろうと進藤
だろうと、痛みは変わらない。
ふいに排泄感がした。進藤が出て行こうとしている。
ボクはそうはさせないと、足で進藤の身体を固定した。
「いい、から……」
「でもちょっと入れただけでも痛いんだろ? もう一回ほぐしてから……」
「いいから……!!」
進藤はうん、と言うとボクのものをしごきはじめた。すると痛みで萎えていたそこが、また
感度をとりもどした。
少しずつ少しずつ、用心深く進藤は腰を進めてくる。
無意識にそれを押し戻そうとするのを、意識してボクはそうならないようにした。
だけど進藤自身がすべて収まるまで、ずいぶん時間がかかってしまった。
進藤が息を吐き出した。
「入った、ぜんぶ」
ボクはその言葉をたしかめるように、おそるおそる腹部に手をやった。
異物感があるところをなでる。
――――ここに進藤がいるのか。
ぐっとそこを押してみる。するとそれに連動してか、ボクのなかが進藤を締めつけるのが、
自分でもわかった。
動いていいのに、進藤はわずかも身じろぎしない。
そうか、なじませてくれているんだ。



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