魔境初?トーマスが報われている小説(タイトル無し) 16
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突き抜けるような痛みと熱さ。和谷と繋がっている場所が、じりじりと焦げてるんじゃないかと思えるほど。
もの凄い衝撃と、それがおさまったと思ったらこんどは圧迫感。
こんなこと、今まで経験したことがなかった。どうしたらいいのかわからない。
だから俺は必死に和谷に縋る。この苦しみを与えている男に。
「わやっ…やぁっ…」
「お前ん中、すげぇ熱い。俺のこと、咥え込んでる。すげぇ…わかる? 俺たち今、繋がってるのが」
だんだん表面のぴりぴりした痛みに慣れてくる。
同時に俺の中に息づいているものの存在を強く感じる。どくどく脈打ってて、大きくて、熱いものが、確かに今俺の中にいる。
和谷だ。 和谷が今、俺の中に入ってる。
「ちょ、動くのむりっ!」
「悪い、我慢できねぇよ」
「ああっ…わやぁ…っ、あっ、痛いっ……!」
動くと痛みがぶり返してきて、圧迫感も増してくる。
「進藤。大好き。大好き、愛してる」
快感なんて、ひとつもなかった。
どこにもなかった、けど。
「あっ…おれ、も…和谷のこと…っ」
大好き。
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