肉棒だらけの打ち上げ大会 16 - 17


(16)
赤毛のマツゲ=永夏はタイルの上で繋がったアキラとヒカルの方へ目を向け
話しかけた。
「ミヤーマ」
「へぇ?」
ヒカルは口端を引きつりながら、ようやく言葉を出す。
「ミヤーマ、ヨンジュウハッテ」
「ボクが通訳するよ永夏」
小柄の韓国版きのこカット=秀英がゴーグルを外し、永夏の前に歩み出た。
「進藤そのゴホゴホ・・・、そのお楽しみの最中のポーズは日本の四十八手の内の
『深山』という体位だな──と永夏は言っている」
顔を真っ赤にしながら秀英はヒカルに通訳する。
「なっ、なんだそりゃ!? 
日本語しゃべれねえのに、そんな言葉知っているんだっつーの!!」
「オレは勉強家だからな──と言っている」
「しょーもないことばかり覚えやがって! っていうか、何でお前ら
酸 素 ボ ン ベ つ け て 温 泉 入 っ て ん だ よ っ。
だああっ、チクショウ!
お前らが邪魔するからオレの萎えちゃったじゃねえかよおおお。
せっかくイイところだったのに、どーしてくれるんだっ!
オレのは人一倍、デリケートなんだよおぉっ。

うわあ──あ──あ──あ──あ――――――――――――――んん!!!」


(17)
ヒカルの肉棒は元のサイズに戻ってしまい、アキラの中からいとも簡単に
抜けてしまった。
アキラは気の毒そうにヒカルを見るが、その同情顔が余計ヒカルの男の
プライドを傷つける。
「小さくなったなら、また大きくすればいいじゃないか。
なんなら手伝ってやろうかと──言っている」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」(答える気力ゼロのヒカル)
<デリケートなのはお前だけじゃない。オレ達は皆そうだろう。
せっかく親切に言ってやったのに。通訳なんかするな秀英! 行くぞ!>
<永夏、待ってよ>
アキラの側に正座して“ありません”のポーズをするヒカルを無視して、
永夏・秀英は浴槽から出ようとした時、ガラガラと浴場のドアを開ける音と
口笛が聞こえた。
温泉浴場にいる四人が一斉に入り口に視線を向けると、そこには裸になって
伊角をおんぶしているの和谷の姿があった。
 
「伊角さん温泉場に着いたぜ、さっそく入るぞ・・・・・アレ?」
フルチンでゴーグル・ボンベ姿の永夏が、いち早く和谷の目に飛び込んできた。
「あ──ん──ぎぃ──や──アアァ! 
赤毛チンコの変質者がいたあああ!!」
とだけ言うと、和谷は伊角をおんぶしながらダッシュして逃げていった。

気が動転していた和谷は裸で廊下を走ってしまい、そこにネタ探しに施設内を
徘徊していた奈瀬・芦原のカメラ小僧二人組に見つかって、さんざん写真を
取られた。
挙句の果て、その騒ぎを聞きつけた施設のスタッフに捕まり、和谷・奈瀬・
芦原の三人はオーナー室で、しこたま叱られ、伊角は救急車で町の病院に
運ばれていった。



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