敗着 16 - 20
(16)
「ヤメロよっ、気持ちワリィ!」
縛られた腕の厚みで、弓のように反った上半身を捩りながら進藤が吐き捨てた。
構わずに舌を這わし乳首を小さく噛む。
日に焼けた肌に合うピンク色だ。
「あんっ」
進藤がびくんと跳ね、下肢をもぞもぞと動かし喘いだ。
「進藤・・・アキラとは、どうだった?・・・」
容赦のない愛撫を施しながら耳朶を嬲る。
「・・・っそんなの、知らねぇっ」
胸を撫でまわす手の平にじっとりと汗が吸い付いてくる。
「お前の汗は美味いな」
まだ快楽に慣らされていない肉体を余すところなく躾け、呟いた。
顔を紅潮させ、口をパクパクと開き進藤が首を振る。
無駄な肉のついていない引き締まった腹部が上下に波打っており
その臍をおりて陰毛に辿り着くと、まだ生え揃っていない草むらに顔を摺り寄せ、
「─おが、た、せんせぇ」
進藤が何か言っているのを無視して勃ち上がりかけているモノを口に含んだ。
「痛い!・・・っ」
「イッた後またすぐに勃つと痛いんだろう・・・?アキラも言ってたよ」
進藤の下半身に被さり、ヒクヒクとしている中心の先端を
舌でちろちろと掬いながら頬張る。
(17)
「やめて・・・キタねえよ、オレっ」
逃れようと体をずらして進藤が抵抗した。
既に硬くなった竿が口の中で脈打ち汁を零している。
舐め上げて唇を離すと、唾液と進藤のもので糸を引いた。
「さすがは中学生だな・・・毎日シコってるんだろう?」
汗と体液の蒸れた臭いが鼻腔に入り、陰毛が顔に当たる。
「して、ねえよぉ・・・」さっきとは違う掠れた声で答え腰を浮かせてくる。
その様子に堪らずに陰茎にむしゃぶりつき、一気に吸い上げた。
「あ、緒方先生、あ、あ」
進藤が呼吸を合わせて腰を動かし「ああ!」
と啼くとペニスが脈打ち口腔に苦い精液が広がった。
舌で味わい飲み下しながらも、萎んだモノを飴をしゃぶるように口の中で転がし続けてやる。
「やだ、緒方先生、もう・・・」と呟くのが聞こえる。
丹念に舌を使い僅かに歯を立て刺激してやると
「ああん・・・っ」
普段の進藤からは想像のできない甘い声で喘いで、腰を押し付けてきた。
「センセェ・・・!」
二度目は早かった。
ようやく進藤から体を離すと、蒸れた熱気が付近に広がった。
進藤の体は汗でてらてらと光り、呼吸が乱れ胸を大きく上下に動かしていた。
何かを言いたそうに薄く開かれた潤んだ目が、ぼんやりとこちらを見ている。
「少し乱暴だったな・・・」
そう言って進藤を縛っていたネクタイを解き、改めてベッドに横たわらせた。
(18)
体をずらし、進藤の首の上に跨るとチャックを下ろす。
「・・・今度はオレのもしてもらおうか」
枕を高くし顎を引かせ、半開きの口に硬くなっているモノをあてがい
乾いた血がこびり付いた唇をなぞって徐々に割り入れた。
「ん、っむ・・・」
噛みつき吐き出されないよう喉の奥まで押し込むとゆっくり腰を前後する。
見る間に進藤の目からぼろぼろと涙がこぼれ、眉間にしわを寄せ口から出そうともがいている。
後頭部を鷲掴みし、泣いているのも構わずに腰を振り続ける。
(アキラは多少上手くなったが、こいつは全くの素人だ・・・
処女とヤッてるみたいだな・・・)
半ば諦めかけたような抵抗とモノに響いてくるうめき声。突き上げてくる快感に堪らず射精した。
「・・・げほっけほっ、・・・かはっ」
抜いてやると大きく咳き込んでいる。
それを尻目にベッドの下からクリームを取り出した。いつかアキラに使ったものと同じものだ。
「何、ソレ・・・」
ふと顔を上げると進藤が自分の股間を凝視し青ざめていた。口の端からはザーメンがこぼれ、
それを手で拭っている。
「やだ、オレ、そんなの入んないっ・・・」
顔を引きつらせ両脇に肘をついてじりじりと後ずさっていく。
「・・・アキラだって大概デカイ、・・・逃げるなっ」
「イヤダッ」
腕を組み敷くと進藤の後ろにたっぷりと潤滑油を塗り込めていく。
アヌスは指が二本も入らない狭さだった。
「やだ、緒方先生やだ」腕を振り解こうと必死に暴れているのを抑え付け
自分のモノにも擦り込むと、漸く進藤の後ろを貫いた。
(19)
「コトリ」
碁笥を碁盤に置く音がした。
――今日も進藤は来なかったな
アキラは窓の方を向いた。既に日は落ち、外は真っ暗だった。
「おお、アキラ先生。今日も棋譜並べですか?」
「広瀬さん、今日は遅かったじゃない」市河の声が聞こえる。
傍らに立った広瀬に「ええ、まあ・・・」と曖昧に頷く。
「それはそうと前に来てた進藤くん、緒方先生とどこかへ行ったよ」
「――え・・・?」
瞬時に体が硬直した。
「用事で近くまで来ててね、二人が一緒に歩いているところが見えたんだ。あれは何処へ行ったんだろうね」
「緒方先生と?進藤クン?棋院に用事かしら・・・?」
市河の声が耳に入るか入らないかのうちに派手に音をたてて立ちあがると、アキラは碁会所を飛び出していた。
「い・・・たい・・・」吐息にまじって声が聞こえる。
思いのほか進藤の中は狭かった。
「進藤、力を抜け・・・きつい、」
脂汗をじっとりと滲ませた体に手の平が吸い付く。
潤滑油が塗ってあるとはいえ、締め付けてくる力は半端ではなかった。
それでも多少は滑り、なんとか腰を進めることができる。
顔を歪め必死に歯を食いしばっているのを見て、胸の突起に舌を這わせてやる。
「っあ・・・」
体を仰け反らせ弱々しくしがみついてくると、爪を立てて自分の体を引き剥がそうとしている。
進藤の腰を自分の動きに合わせて動かし、少しでも力を抜かせようとした。
「――ん、っあ、おがた、せんせ・・・っ!」
まとわりついてくる腕にくちづけ囁く。「力を抜くんだ進藤・・・お前も辛いぞ・・・」
額に汗で張りついている前髪をかきあげ、そっとキスするとその唇は乾いていた。幾筋もの涙の跡がついた頬を、また新たな涙が濡らしている。
(参ったな・・・)
体勢を変え進藤の脚を肩に掛けると、少し位置をずらせ股間に目を遣った。
太腿の付け根を水着の跡がぐるりと囲み、下腹部と色を異にしている。
そのまま内壁を擦り上げるようにして貫く。
「うあっ」
進藤の口から初めて歓喜の声が漏れた。
(20)
「・・・・、っあ、ああっ!」
進藤の喘ぎ声が部屋に響く。ベッドが軋み体をバウンドさせる。
幾分か楽に動けるようになったそこは、我を忘れるほどの快感をもたらしてくれた。
締めつけてくる筋肉の圧迫感と溶けそうな程に熱い内部。独特の粘膜の感触が迎え入れた物体に張り付いてくる。
自分の吐く息と泣きじゃくる進藤の声がない交ぜになり、リズミカルに呼応していく。
「おがたせんせぇ、っせんせい・・・・!」
夢中で掻き抱いてくる進藤を抱き締めると唇を合わせ互いに求め合う。
「―――しんどう・・・・」
舌を絡ませ合い唇を離すとまた合わせる。二人の呼吸と声がもつれ一気に高みへ達した。
「ああ―――――――――――――!!」
進藤のものが弾け白い体液が散った。
「・・・・、は・・・・」
自分の肩が揺れているのが分かる。そのまま体が倒れるのに任せ、進藤に折り重なった。
「・・・・キツかったか・・・・?」
ぐったりと体を投げ出し大きく息を切らせている進藤に尋ねた。
「ん・・・・」
こちらを見た飴玉のような目が「ううん」と言っている。濡れた睫毛が僅かに瞼に貼りつき、目を開けにくくしているようだ。
見詰め合い、どちらからともなく唇を重ねると、結合したままの部分がまた熱を帯びてきた。
今度はもう止められなかった。ベッドに足を突っ張り、狂ったように奥へと突き進む。
「ぁあ、ああっ、イイッ、イイ・・・・っ!」
意味が分かって言っているのか違うのか、進藤は女のような声を出して歎いている。
「・・・・腰を使え、・・・もっとヨクなる・・・・、」
教えると素直に従い腰を振ってくる。結合部の粘膜が擦れ合い引き出され、また戻される。
一度目に出したザーメンが入り口付近で泡立ち、抵抗を少なくしていた。
為すがままにされ、後ろを貫かれている進藤は指を噛み声を殺している。
「 、啼いていいぞ、もっと啼けっ!、」
一層スピードをあげてやると顎をがくがくとさせ二度目の絶頂を迎えた。
耳に進藤の叫び声が残った。
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