痴漢電車 お持ち帰り編 16 - 20


(16)
 アキラはヒカルに優しく微笑んだ。
「ずるいよ。自分ばっかり気持ちイイなんて………」
「う……」
ヒカルはシクシクと泣き始めた。アキラにペニスを掴まれたまま、身悶えしている。
「ね…優しくするから…」
「…………うぅ……」
根本を掴んだまま、先端に口づけした。ヒカルは全身をわななかせ、背中を大きく反らした。
「や、やだぁ―――――――っ」
「いいよね?」
ヒカルは泣きながら何度も何度も頷いた。

 ヒカルを握る手を弛め、先端を銜えた。あめ玉でもしゃぶるようにして、吸い上げるとヒカルの
身体が揺れ、その後二、三度小さく震えた。
 口の中に吐き出されたヒカルの熱を全て呑み込むと、放心した彼をその場に残して
アキラは部屋を出た。


(17)
 母の部屋に行き、化粧台の引き出しを引っかき回す。ベビーオイルやスキンローション、
乳液などが出てきた。それらを手にとって、光に透かすようにして眺めた。
 一番刺激が少なそうなモノを選んだ方がイイ。なんと言ってもヒカルは初めて(本当は
二回目だが)なのだし、気を遣ってあげないといけない。
「ベビーオイルは身体によくないって聞いたことがあるような………」
とりあえず、 ローションを借りていこう――――残りを元の場所に返そうとして、ふと手を
止めた。 奥の方にまだ、何かある。液体の入ったビンとハンカチに包まれた何か………
 アキラはそれをとりだして、矯めつ眇めつ眺めた。見覚えのあるビンの色。
「コレって、ひょっとして…………かな?」
小さくたたまれたハンカチを広げてみた。やっぱり―――――!
「普通のローションより、やっぱりこっちの方がいいよね………」
アキラはビンをポケットにつっこんだ。
「こっちはどうしようか………」
ハンカチの中身を掌にのせて、考え込んだ。長いことご無沙汰だったため、あいにく自分の手持ちは
ない。かといって、コレを貰っていくのは抵抗がある。
 両親の秘め事を思わぬことから、垣間見て動揺しているためだろう。その割には、冷静に
ローションはしっかり借りていく。不思議だ。
 ヒカルの身体のことを考えれば、ゴムを貰っていくべきだろうけど………
「………今日は勘弁してもらおう……」
別にヒカルを直接感じたいとか……つけない方が気持ちイイとか……そう言う理由からではない。
両親のコンドームを借りるのは気が引けるから……それだけだ。


(18)
 ヒカルの待つ部屋へ急いで戻った。
「ゴメンね……進藤……」
アキラが声をかけながら部屋へはいると、ヒカルは布団の上で丸まっていた。恥ずかしそうに
手足を縮こまらせて、グスグスとしゃくり上げていた。
 側に跪いて、顔を覗き込む。
「進藤?」
ヒカルは無言で背中を向けた。白くて、なめらかな薄い背中。肩胛骨がくっきりと浮かび上がっている。
「どうしたの?」
「………バカ……」
また、“バカ”と言われてしまった。
「………どこ行ってたんだよ……オレ…独りぼっちにして……」
ヒカルが半泣き声でアキラを詰った。
 放心状態のヒカルを置いて、部屋を出て行ったことを責めているらしい。
『ローション探すのに、手間取ったからな………』
ヒカルの肩に手をかけて、こちらを向かせた。軽いヒカルの身体は、簡単にひっくり返った。
 「ゴメンね……」
ヒカルの目を正面から見つめ返した。涙を滲ませたままの愛らしい顔が見る見る紅潮していく。
「………うん…」
小さく頷く。その仕草は例えようもないほど、可愛らしかった。


(19)
 「ほら、コレ……」
アキラがズボンのポケットから、なにやら小瓶をとりだした。
「何ソレ………?化粧水?」
ヒカルはアキラの手の中のソレをキョトンとして、見つめた。母の化粧台には、ソレと同じような
小瓶がたくさんある。ヒカルにはビンに書いてあることを読んでもさっぱりわからないが、
母は、手元を確かめもせずに次々ソレを顔に塗り込めていく。化粧水、乳液、美容液、エトセトラエトセトラ。
よく間違えないモノだといつも感心する。女の人の美に対する執念はすごい…………と、
ソレはこの際関係ないか………。

 「ねえ…何?」
ヒカルは再度アキラに訊ねた。アキラは「スゴクイイものだよ」と意味ありげに微笑んだ。
 アキラが瓶の中身を掌にたっぷりとなすりつけた。
「コレを使えば、進藤の負担はかなり軽くなるよ……」
そう言いながら、ヒカルの下半身に触れる。
「ひゃ!冷たい!」
「ガマンして……」
 ヌルヌルした掌がヒカルのペニスを擦り上げた。
「あ…うぅん…」
「どう?気持ちイイ?」
ヒカルは頬を赤らめ、コクリと頷いた。「イイ」と返事をしようと思ったのだが、息が上がって、
うまく答えられない。
 ハアハアと荒い息を吐くヒカルを見て、アキラはニコリと笑った。
「進藤、ひっくり返すよ…」
言い様、身体をひょいと持ち上げられて、ころんと返された。俯せになった腰の辺りに、アキラは枕を
あて、尻を高く上げさせた。


(20)
 「ア…!やだぁ!」
こんな恥ずかしい格好はイヤだ!ヒカルは、身体を起こそうとした。同時にお尻に冷たい
モノが降り注がれた。
 「ヤ…!」
アキラは尻の肉を掴んで、二つに割った。その部分がアキラの視線に晒されているであろう
と考えるといても立ってもいられないほどだ。ヒカルは身悶えた。
「イヤだぁ!やめて!やめて!やめて!」
「ああ…やっぱり、腫れてるな…ここにはたっぷり塗っておかないと…」
恥ずかしい。恥ずかしいことを淡々と話すアキラの言葉に、耳を塞いだ。
 ヒンヤリと濡れたアキラの指先がそこに触れた。痛みを感じるより、その冷たさに身体が
ビクンと反応した。
「んん………!」
マッサージをするようにそこを優しく押してくる。
「大丈夫?このローションを使ったら痛くないからね。それどころか、そのうちココも
 こっちと同じくらい気持ちよくなるよ。」
 後ろを弄りながら、前にも手を這わされた。
「ア、ア、ァ、ァアァン!」
アキラの言う通り、なんだかお尻がムズムズしてきた。
 指が一本進入してきた。不快さより、望んでいたモノをやっと与えられたような感触に
ヒカルは一層高い声をあげた。



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