少年王アキラ 17
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「さあ…アキラ王。貴方はレッドと愛の楽園−ラッヴ・パラダイスを築きたいのでしょう?
そのためには、彼を常にリードしなくては。愛に不慣れなもの同士の恋愛は、
えてして長続きしないものだからね」
ハマグリゴイシの背を撫でながらオガタンは偉そうなことをほざいている。
それにしても、未だに独り身のオガタンも愛に不慣れのだろうか。
『そんな不器用でカワイイ兄貴、茂人が慰めてあげたいっっ』
今日の食事当番の茂人は親友の506と一緒にスピーカーから流れる
オガタンの声に耳を傾け、デザート用のバナナを潤んだ熱い瞳で見つめていた。
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