Shangri-La 17
(17)
コンビニのまばゆい白色光が照らしたヒカルは、こころもち痩せて
白すぎるほどに白い顔には精気がなく、目は死んだ魚のようで
造花を見た思いがして、アキラは思わず息を飲んだ。
「え?あ、あぁ…ごめん…」
ヒカルの返事には力がなく、うわのそらだった。
目の前にいてもなお関心を持たれていない事でアキラの怒りは増幅された。
「とにかく、説明してもらおうか。」
アキラはヒカルの腕を力いっぱいつかんで、ずんずんと歩いた。
ヒカルを近所の公園へ連れて行き、ヒカルをベンチへ放り込むと
自分もその隣に腰掛けた。
ヒカルは、痛ぇ、とつぶやいて、座り直しながら、
アキラに捕まれた腕をさすっていた。
「で、どう説明してくれる?」
怒りで興奮しているアキラの隣で、ヒカルは言葉を探していた。
いつかは話さなくてはいけないと分かっていて先延ばしにした。
でも、いざ話そうと思うと、何から話せばよいのか分からない。
考えがまとめられないほど自分が疲れていることに、
ヒカルは初めて気がついた。
「説明って言われても…、なにが、聞きたい?
塔矢が知りたいことなら、何でも話すから…」
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