平安幻想異聞録-異聞- 番外 17
(17)
体の中で男の指が再び蠢きだし、さらに強い刺激がヒカルを襲った。
「あっ、ふぁっ、あん――はぁっ……ん…んっう」
男の指は、ヒカルの中で自由自在に躍動し、その肉の壁をこねるように
2本の指で攻め上げ、時にはその節くれ立った関節でイイ所を圧迫する。
欲しかったはずの快楽が、今はヒカルを苦しめてさえいた。
そうしておいて男の開いたほうの手は、今や自分の大きく膨れ上がった
自らの男根を、傷をさけながらも、激しく摺り上げている。
ヒカルの中をいじる男の腕の動きが大きくなった。
「あ、あぁん、やっ、あぁぁぁ…!」
ヒカルの上げる声は、悲鳴に近い。
一見、出し入れされているだけに見える男の指は、中ではヒカルを
思う存分さいなんでいるのだ。
この男がヒカルにいれてきたものが、男根ではなく指だったことも災いしていた。
男根が慣れない内壁を圧迫し、切れた秘門を擦り上げることでヒカルに
与えていた苦痛は、指ではいくぶん緩やかになっていた。
だがそのぶん、ヒカルの体は快楽に素直になっているのだ。
ヒカルを追い上げるだけ、追い上げて。
そのくせ、ようやっと頂点に達しそうになると、男の手は
ぜんぜん違う場所をもてあそび始める。
じらされてじらされて、あげくに男の指に一番敏感な箇所を突き上げられるたび、
ヒカルの目じりから涙の粒がポロポロと滑り落ちた。
「あぁ、はん、あ、あ、あぁぁあ!」
男の指の動きに合わせて、ヒカルの体が跳ねる。
「やん、や、やめ……っ、あぁ!」
跳ねて身をよじり、耐えられないといった風情で、嗚咽まじりの声をもらす。
男が、自身をしごいていた手の動きが激しく速くなった。
「あ、や、あぁぁ……」
その声に1種の恍惚とした色が含まれていたのは気のせいではない。
男はヒカルの中に指を根元までおしこみ、ヒカルの一番感じやすい部分の壁を
強い力で抉り、掻き出すように動かした。
強すぎる快楽に耐えきれず、ヒカルが首を強く振った。
「や、あぁぁあ!あぁ!あぁぁぁ!」
男の手がさらに強くヒカルの内壁を破らんばかりに擦り上げた。
「あぁ!あぁ!…やぁぁぁぁぁっっ」
男がしごく手を止めて、自分の陽根から白い液体をほとばしらせたのと、
ヒカルが、ようやっと自分の中心の熱を吐き出すことを許されたのは、
ほぼ同時だった。
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