平安幻想異聞録-異聞-<水恋鳥> 17


(17)
粘液が糸を引いて、ヒカルの股の内側を伝い落ちてゆく。
立ち尽くしているヒカルを慌てて座らせて、佐為は汚れた足と床をぬぐい、それから
懐紙をそえて、ヒカルの中の己の残滓を掻き出してやった。
終えて、ヒカルの中から去ろうとした指を、ヒカル自身が手を添えて押しとどめた。
顔を恥ずかしげに赤く染めながら、つぶやく。
「最後まで、いかせて」
気付けば、ヒカルは前を隠すように、しっかりと羽織った着物の前を押さえてはいたが、
前のモノがその着物の布を押し上げてしまっているのが佐為にも判った。
「恥ずかしがる事はないんですよ」
ヒカルの耳元に囁いて、佐為はその体を横抱きにすると、指をそのまま綺麗にした
ばかりの狭道の奥へと差し込んだ。ヒカルのいいところを繰り返し圧して、嬲るように
してやる。
ヒカルは、佐為の与える快楽に身を任せた。


ヒカルは佐為の膝の上で盤上の石の運びを吟味している。
佐為がヒカルをいかせてやった後、碁盤を間に向かい合って座った二人だったが、
ヒカルが床の上に座るのを辛そうにしていたので、佐為が自分の方に呼び寄せたのだ。
先程、自分の腕の中のヒカルをいかせてやりながら、佐為も下肢が熱を持ち、そのまま
もう一度ヒカルの中に自身を押し入れたい衝動にも駆られたが、どちらかというと
今は、ヒカルと碁を打ちたいという欲望の方が先にたった。
佐為の膝の上に座らされて、最初はどうにも不服そうだったヒカルも、打ち始めて
しまえば静かになって、なかなか真剣に盤上を見つめている。
「じゃあ、十の三」
声に出して宣言してから打つところが、なんともヒカルらしい。
「それでは、私は十の四に」
つられて、自分も打つ場所を言いながら石を置いてしまう。
「うわっ、あぁ、そうか、そうだった、ん〜〜〜」
自分の失敗に気付いたらしいヒカルが難しい顔をして考え込む。
そうして石を打ち合っているうちに、ヒカルの言葉の間隔がだんだんと伸びて、
やがてすっかり黙りこんでしまった。



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