金魚(仮)(痴漢電車 別バージョン) 17


(17)
 「塔矢、いっつも怒ってばっかだよな…」
「キミが怒らせるようなことばかりするからだろう…」
ヒカルの方を見ないように意識した。もし、見てしまったら、怒りを持続するのが難しい気がした。
彼の甘ったるい舌足らずなしゃべり方や、くるくると変わる表情はとても愛らしく、アキラを
魅了する。そして、それを悟られまいとして、自分はワザと突き放した言い方をしてしまう。
 「塔矢…」
ヒカルが顔を覗き込んできた。大きな瞳が少し揺らいでいるように見える。
「………ゴメン…」
アキラは返事をしなかった。怒りよりも驚愕からだった。ヒカルがあまりに素直なので、
どう反応していいのかわからなくなったのだ。いつもこれくらい素直だと、アキラも対処しやすい。
だが、ヒカルは、そんな自分をからかうように、好き勝手に振る舞うのだ。
 無言でムッと前を見ているアキラを見て、ヒカルは悲しそうにして、目を伏せた。
そして、アキラの側を離れると、そのまま車両の真ん中あたりへ移動してしまった。



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