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(17) サァッ。ヒカルの顔色が変わった。頭から血が引いていく。 ようやく事態が飲み込めてきた。 こいつら塔矢を――。 ヒカルはぎゅっと唇をかみ締めた。 意識を失っている間に、どれだけ時間が流れたのか分からないけれど、いつも待ち合わせている時刻はとうに過ぎているに違いない。 塔矢が来る、何も知らずに――。それだけは確実だった。 (塔矢!来ちゃダメだ!!) 祈るような気持ちで、ヒカルは心の中、一人叫んだ。