失着点 17 - 18


(17)
アキラもヒカルの体の変化を感じ取るとさらに愛撫を念入りに行った。
「あ…、んんっ」
アキラの手の中で膨らみ始めたものはアキラが扱き始めたことでさらに
硬さを増し、登頂への階段を登り始める。
アキラの手をヒカルの雫が濡らす。
そのタイミングを待っていたかのように再びアキラが腰を動かし始めた。
「ああ…!!」
痛かった。痛かったが、それだけではないものをヒカルにもたらした。
狭道はアキラの雫によって潤いが損なわれる事無く、
潤滑な動きをアキラに許した。
「は…あ、ああっ!」
前と深部を同時に揺さぶられ、ヒカルは今まで出会った事がなかった質の
快感に翻弄され続けた。
「な…に、こん…な、」
ヒカルの呼吸が次第に荒さを増し体のあちこちがほんのりと紅く色付く。
体芯から根こそぎどこかへ持っていかれてしまいそうだった。
アキラの呼吸も荒く早まり動きも激しさを増していく。
「と…や、もう…」
じりじりと階段を登り始め、その速度が速まり、ヒカルはそれを
アキラに伝えた。
「はっきり言わないとだめだよ…。」
アキラはヒカルの唇に自分の唇を重ねながら互いの熱い吐息の中で話す。
「イクって、ちゃんと言わないと…ね。」


(18)
アキラも爆発寸前だった。激しく動く事はそれだけ強い快感をアキラ自身に
与える事になるのだ。
ヒカルももういつ弾けるか分からないところに追い詰められていた。
だがアキラの指示する言葉を口にするのにはためらいがあった。
今までアキラに対し、劣情を抱く事は正直何度かあった。
自慰行為の中で常にアキラを組み伏して犯すのは自分であった。
アキラが激しい性格で男らしいことは良く分かっていたが、容姿からくる
ものもあって、心のどこかで女性的な部分を描いていた。
そのアキラに、実際ここまで自分が女性として扱われ、
さらに屈辱的な言葉を求められている。
ヒカルは唇を噛み締めた。それには従いたくない。
アキラは直感的にヒカルの意志を読み取り口の端で嬉しそうに笑った。
「いいよ、…進藤。君は本当に可愛いね…。」
アキラはヒカルの深部を探り、ある部分を狙ってかきえぐる。
前の部分ヘ与える刺激と合わせてヒカルをさらに追い立てていく。
「は…ああっ!」
あらゆる思考が吹き飛び、何も考える事が出来なくなっていた。
あるとは思わなかったさらに深い快感に、半分気が狂いそうだった。
…アキラに逆らう事など、自分にはできそうになかった。
「…ク…」

「何?」
「イク…よ、」

ヒカルは胸を大きくのけぞらした。
「イク…!イクっ…!んんっ…!!ああーー!!」



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