初めての体験 17 - 18


(17)
ヒカルの甘い声は、倉田の脳天を直撃した。背中がゾクッとした。首だけで
振り向くと、自分を覗き込んでいるヒカルと目があった。その瞳は妖しい色を
浮かべている。
倉田は自分の胸元にまわされているヒカルの手を掴むと、そのまま前に
引っ張った。ヒカルはバランスを崩し、倉田の前に倒れかけた。しかし、
ヒカルはまるで空気のように軽く、倉田に抱き留められた。
倉田の膝の上で、ヒカルはびっくりして目を丸くした。
「進藤。可愛いな。」
倉田が愛嬌のある笑顔で言った。そして、目を丸くしているヒカルの唇を
分厚い唇で塞いだ。倉田は、ヒカルにキスをしながら、その細い体を抱きしめた。
息苦しさにヒカルは喘いだ。倉田は、慌てて力を抜いた。
「すまん。もっと、優しくしないとな。進藤は細っこいから。」
倉田がまた笑う。ヒカルも笑った。いつもの明るい笑顔だった。
「そうだよ。もっと優しくしてよ。でないとオレつぶされちゃうよ。」
と、口をとがらせる。倉田に抱きしめられていると、不思議と安心する。
そんな自分にヒカルはとまどっていた。このどっしりとして揺るがない
体型が警戒心を薄くさせるのかもしれない。ヒカルは倉田の胸に頭をもたれ
かけさせた。
倉田の厚い指先がヒカルのシャツの中をまさぐった。乳首へと辿り着くと、
乳輪を指でなぞり、突起を押しつぶした。
「ああん」
ヒカルが声を上げた。倉田はしつこく、乳首を弄ぶ。
「や・・・やだ・・・」
倉田はヒカルのシャツを捲り上げ、ジーパンに手をかけた。ヒカルは
大人しくされるがままになっている。倉田は自分も服を脱ぐと、もう一度、
ヒカルを膝の上に座りなおさせた。
ヒカルの乳首を舌でなぶりながら、股間に手を這わせる。
「く・・・くら・・・た・・さ・・・」
「進藤。気持ちいい?」
倉田がヒカルに問いかける。ヒカルは黙って、吐息をかみ殺した。
「言わなきゃ途中でやめちゃうよ?」
ヒカル自身を弄びながら、倉田が楽しそうに言った。


(18)
「や・・・やだ・・・やめちゃ・・・」
ヒカルが泣きそうな声で倉田に訴えた。倉田は、
「うそうそ。進藤は可愛いな。」
満足そうに笑った。
倉田はヒカルが出した先走りで、ぬるぬるになった指で後ろの入り口に
触れた。
「きゃう」
ヒカルの体がビクッとはねた。そのまま、そっと指でほぐす。
「あぁ・・・あん・・・んん・・・」
ヒカルが絶え間なく声を漏らし続ける。
「進藤。いくよ。」
倉田はヒカルを軽々と持ち上げ、そのまま、自分の上に落とした。
「あぁ────────────」

「ああ・・・いい・・・くらたさん」
倉田が体を揺するたび、ヒカルのものがでっぷりとした倉田の腹にこすれる。
その快感と後ろから与えられる感覚に、ヒカルはおぼれそうになる。
何も考えられなかった。頭の中が真っ白になり、意識が途切れた。




「倉田さんに打って貰えた?」
アキラがヒカルに問いかけた。ヒカルはちょうど感想を書いているところだた。

倉田・・・次代を担う実力派。その技量は侮りがたし。

「うん。やっぱ、塔矢の言う通り、食わず嫌いはよくねーよな。
打ってもらって良かったよ。でなきゃ、倉田さんの強さはわかんなかった。」
と、ヒカルがしみじみと答えた。
「・・・?前にも、打って貰ったことあったんだろう?」
「あん時とは、状況がちがうもん。」
「・・・?よく・・・わからないけど、何か学ぶものがあったんなら良かったよ。」
アキラがヒカルの髪を梳きながら笑った。
「うん!塔矢のおかげだぜ!」
ヒカルはアキラに抱きついた。

<終>



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