初めての体験 Asid 17 - 18
(17)
芦原さんの唇から、声にならない悲鳴が発せられた。ゴメン。でも、気持ちいいよ。
ボクが動く度、悲鳴が上がり、芦原さんが身体を硬直させる。そして、彼のその所為は
ボクを心地よく締め付ける。ボクは、彼によって与えられる刺激が欲しくてますます
激しく動く―――の繰り返しだ。
後ろ手に縛り上げられたまま、芦原さんは、顔を畳に押しつけ呻いている。その顔を
見た瞬間、背中を快感が走り抜けた。
一気に達してしまいそうになった――――――が、辛うじて持ちこたえた。ここで、
イッてしまったらボクの負けだ。こんなことでは、進藤の相手はできない。進藤は、
もっとスゴイはずだ。だって、S因子を発動できない今でさえ、あんなに……あんな……
ああ!まずい!想像したら余計に…!
とりあえず、気を紛らわせるため、頭の中で棋譜を並べてみる。………………何とか
落ち着いてきた。ホッと息をつく。
……だが……おかしい…なんだか、ガマン大会のようだ。これが進藤との未来への
第一歩なのだろうか?だとすると……達人への道は、厳しく険しいモノなんだな……。
しみじみと思った。
「ああ…んん…あきらぁ…!」
芦原さんの声が、ボクを現実に引き戻した。先ほどとは、うって変わって、声に艶を帯びている。
瞳を潤ませ、口を大きく開け喘いでいた。そこから幾筋も唾液が流れ、畳に染みを作っていた。
勝った!!!
「あぁ―――――!」
ボクが大きく突き上げると、芦原さんは一声叫んで、畳の上に崩れ落ちた。
(18)
「塔矢、なんか良いことあった?」
ボクの腕の中で、進藤が小首を傾げて問いかける。「ああ、あったよ」とは、進藤には、
言えない。ボクは、返事をする代わりに進藤の胸の突起にキスをした。
「あん…!」
そのまま、口に含み強く弱く吸い続けた。
「や…やだ…あぁん…」
ボクの腕から逃れようと、進藤は背中を反らせた。でも、ボクは離さない。腕に力を込め、
しつこくそこを嬲った。進藤の黒子一つない肌に、痣をつけながら、ボクは芦原さんへの
行為を思い出していた。ああ…この…この肌に…!白い縄を巻き付けたい!ボクは、夢中で
進藤にむしゃぶりついた。
「あ…い…いたいよ…」
しまった。興奮しすぎた。謝罪の意味も込めて、優しく進藤の額にキスをした。そして、
瞼、頬と順々にキスをする。
「塔矢ぁ…」
進藤が甘えるように、ボクにしがみつく。ボクは、進藤が望むように彼の唇にキスをした。
可愛い。こんなに可愛い進藤を縛りたいと思うなんて…どう考えてもボクは終わっている。
でも、どうしてもしたいんだ。ガマンできないんだよ!!縛ったり、叩いたり…それから
……他にもいろいろ…
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