平安幻想異聞録-異聞- 176


(176)
空気が揺れた。藤原行洋の糾問にも引かなかった座間が動揺しているのが、
近くで見ていた佐為にも感じられた。伊角には昨日、座間の屋敷に使いを頼んだ。
そして伊角もまたおそらく、そこでヒカルがどんな扱いをうけているのか知ったのだと、
佐為は悟った。
「その事実に関わった他の三人の公卿の顔立ち、姿形についても近衛ヒカル本人より
 聞き及び、だいたい誰が、一昨日の晩の「酒興」とやらにお関わりになられたのかも
 想像がついております」
「ほう、興味深い話ですな、伊角殿」
「伊角殿、それを申すなら、貴公もその三人の公卿と同類であろうが!」
「彼らと一緒にしないでいただきたい。座間殿は御存知なかったかもしれないが、
 私と近衛は旧知の仲。昨日今日知りあったのではないのです」
その事実を今初めて知ったのだろう座間が、目をむいた。
「友人が友人に会いに行って、何がおかしいことがありましょうか? 
 心して聞いていただきたい、座間殿。わたしがこの場で全てをあきらかにしないのは、
 座間殿の立場を思いやってのことではありません。この事が明るみに出た場合、
 検非違使としての近衛の評判に傷がつくのがあまりにも哀れだからです。そして、
 なにより! 国のまつりごとを司る人間がこのような人道にもとる行いをしている
 事が、同じ内裏に務める人間として恥ずかしいからですぞ!」
佐為が殺気だった。



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