失楽園 18


(18)
 ベッドの上に投げ出された手足は、時折ピクンピクンと痙攣するように震えている。
「はぁっ、――はあ…っ」
 水槽のエアが爆ぜるコポコポという音しか聞こえない、そんな空間に薄い胸板をせわしく上下させる
ヒカルの荒い息だけが響いた。
 胸の赤い飾り、小麦色の肌に飛び散った白い精液、そして幼い性器――緒方はアキラによく似た、だが
全く別の個体であるヒカルの全身を舐めるように見回す。緒方は口の端を少し上げて笑った。
「……気持ちよかったか? アキラくんに見られながら射精するのは」
 ヒカルのニキビひとつない頬を片手でグッと掴むと、緒方は笑いながらアキラの方を向かせた。
抵抗する気力もないのだろう、ヒカルは緒方にされるがままだった。
「しん、ど……」
 ヒカルと正面から向き合ったアキラは顔色を蒼白にしたまま、そろそろとヒカルの方へ腕を伸ばす。
だが、その細い指がヒカルに触れることはなかった。
「……?」
 唇をキツく噛んで、自分の身体を支えるようにして立っているアキラの姿を、ヒカルはぼんやりと
その大きく澄んだ瞳に映していた。
 緒方は指先についたヒカルの残滓をバスローブで執拗に拭い、アキラに見せつけるようにしてその
指先を舐める。苦かったのか、緒方はその秀麗な眉をつと顰めた。
「…オマエも可哀相にな」
 ヒカルの滑らかな頬を何度も撫でながら、緒方は低く掠れた声でゆっくりと言葉を紡ぐ。
 ヒカル、あるいはアキラに言い聞かせるように。
「…彼がオマエに興味を持ったり、ましてや抱こうなんて思わなかったら、――オレを疑ったり
しなければ、こんなことにはならなかったのにな」



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