スノウ・ライト 18


(18)

棺のまわりで小人たちは泣いています。
花に埋もれたヒカル姫はたいそう清らかに見えました。
小人たちはヒカル姫の弔いを、胸が張り裂けそうな思いでしていました。
いえ、張り裂けそうなのは胸ばかりではありません。
小人たちはみな股間を押さえながらうずくまっていました。
ああこんなことなら、土下座して無様な姿をさらしてでもヒカル姫に相手をしてもらえば
良かった、と悔やまれてしかたがありません。
そんなふうに悲しみに沈んでいた小人たちの小屋の前に、一台の車がとまりました。
降りてきたのは白スーツに身を包んだ男です。
「きれいな姫だ。俺に譲ってくれないか?」
男はヒカル姫を見るなりそう言いました。ワヤは目をむきました。
「誰だよ、アンタ!」
「通りすがりの者さ。おい、グーを出してみろ」
ワヤがグーを出すと、男はパーを出しました。
「よし、俺の勝ちだ! 譲ってもらおう」
「何言ってんだよ! だいたいヒカル姫はもう死んでんだぞ!」
「死体でもかまわん。十分ハァハァできる。俺のものだ」
そう言うとヒカル姫を抱きかかえようとしました。
そこへ車の助手席から誰かが慌てて降りてきました。
「オガタさん! ヒカル姫はボクのものだとおっしゃったではありませんか!」
隣国のアキラ王子です。その表情は怒りに満ちていました。



TOPページ先頭 表示数を保持: ■

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル