平安幻想異聞録-異聞- 188


(188)
「言ったがどうした!?」
「なんでっっ……!」
「お前を思って歪むあやつの顔は、想像するよりはるかに見物であったわ!」
ヒカルの手が、きつく座間の腕を掴んだ。
「こうやって、俺を好きにしてれば満足だろ!? なんで、佐為まで……クっ」
「その怒った顔まで、あやつに似てきたな、検非違使殿よ。いや、よいぞよいぞ!」
揺さぶる腰の動きを座間は休めない。
「佐為の奴も、行洋も、あの若造までが儂を舐め腐っておってからに…フン、
 なるほど、お前を近衛の家に帰すのと引き換えに、佐為の奴を毎夜嬲り物に
 するのも一興じゃな」
「…くはっ…佐為には手を……っ」
座間の動きはいっそう乱暴な物になった。
「儂の下で奴の名を口にするな! お前は儂の物なのだからな!」
「………佐為っっ!……」
「そんなに奴が恋しいか、ならば会わせてやろうか!? 呼べば来るかも知れぬぞ、
 先ほどそこの清涼殿で顔を会わせたばかりじゃ」
「ウッ……ク……ク……」
「もっと大きな声で呼んだらどうじゃ、来てくれるかも知れぬぞ。なんなら、
 儂が呼んでやろうか?」
「やだ……!やめ……くっっ……はっ…あ…」
「顕忠、行って佐為殿を呼んでこい!」
「お願いっ!……やだっ……それだけはっっ!…あっ、やぁぁ!」
ヒカルの足を両わきに抱え上げ、座間は更に深く、その陽根をヒカルの
内臓に分け入らせた。
「ならばせいぜい儂を楽しませることだ、検非違使殿」
「ひ……うっ……っっ……んんっ…」
思わず首を振ったヒカルのその肌に刀の刃が触れて、髪の一筋ほどの細い
赤い線ができた。
その赤い線から血が滲んで、深紅の粒がひとつ、涙のようにヒカルの
首を伝い落ちていった。



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