Shangri-La第2章 19
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「――そんなに、欲しいのか?」
背中からゆっくりと撫で回すと、アキラは動きを止め、こくりと頷いた。
「進藤じゃなきゃダメなんだろう?お前がそう言ったじゃないか?」
その言葉にアキラは一瞬身を固くすると顔を起こし
絶望を灯した瞳で緒方を見据えた。
「何も俺じゃなくたって……お前を抱きたいと思うヤツは沢山居るだろう。
だいいち他の男のモノに手を出して、トラブっても面倒だからな…」
緒方はサイドテーブルに手を伸ばし、煙草に火を点けアキラの表情を窺った。
確かに、緒方との関係を清算したときの言葉の中に
そんなようなニュアンスのものが合ったとは思う。
だが、今日の緒方は自分を受け入れてくれている、そう思っていた。
いつだって、厳しく接してはいても根本はいつだって優しくしてくれたし
アキラの小さなわがままを叶えてくれたのは、両親ではなく緒方だった。
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