誘惑 第三部 19
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「進藤?」
「さっきも思ったけど、塔矢、おまえ、痩せすぎ。」
そう言うと、ムッとしたような顔でアキラがヒカルを睨みあげた。
「こんな状態のおまえ抱いたら、壊れちゃうよ。オレ、おまえを壊しちゃうよ。今なら止められるから。
これ以上やったら歯止めが効かなくなって、おまえを滅茶苦茶にしちゃいそうだ。」
「そのくらいで壊れるほどやわじゃない。」
怒ったような口調でそう言った後、アキラはふわりと腕をヒカルの首に回して引き寄せ、耳元で囁いた。
「キミに壊されるんなら、それこそ本望だ。壊れるくらい激しくして。滅茶苦茶にして。キミの全部を感じ
させて。ボクをキミで一杯にして。」
息の熱さが感じられるくらい間近で、煽るような言葉を囁かれると、身体が熱くなる。鼓動が早く、激しく
なる。下半身に血が集まるのを感じる。
「塔…矢…」
それでも抗おうとするヒカルの唇をアキラが塞いだ。
「だ…めだよ、塔矢っ…!」
「…強情だね。」
逆にヒカルの身体を下にし、跨るような格好で、ヒカルを見下ろして、言った。
「キミが嫌だって言ってもボクはやめるつもりなんかない。」
そして乱暴にヒカルの脚を開き、顔を寄せていく。
「まっ、待てっ、塔矢っ…」
ヒカルの制止など聞き入れる筈もなく、アキラは確かに勃ち上がりかけているヒカルを口に含んだ。
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