初摘み 19


(19)
 ヒカルの身体が弛緩するのを見届けると、アキラは改めて自分を完全に埋め込んだ。
華奢な身体が腕の中で、ピクリと震えた。
「あ、あ…」
最初はゆっくりと、そして徐々に動きを早くした。
 ヒカルの身体が反り返り、アキラを強く締め付けた。
「や…やだ…うぅ…ん…」
先刻とはうって変わった激しさに、ヒカルは呻いた。身体を捩って、アキラから逃れようと
する。もちろん、それを許すわけがなかった。逸らせた顔を自分の方に向け、腰を抱き寄せた。
ヒカルが潤んだ瞳で切なげにアキラを見つめた。
 アキラはずっと我慢していたのだ。本当は、ヒカルの中に入れた瞬間から、メチャクチャに
突き上げ、ヒカルの身体を存分に味わい尽くしたかった。この数ヶ月夢にまで見た瞬間だ。
 だけど、ヒカルにこういう経験がないことがわかっていたから、出来るだけ優しくしたかった。
「とうや…とうや…」
ヒカルが哀願するように、自分の名を呼ぶ。苦しげに喘いでいた。そんなヒカルを宥める
余裕さえもうない。
「あぁ、あ、あ、とうや…」
甘い声がさらに煽る。激しく揺さぶった。
「はぁ…はぁ…いや…いやだぁ…」
イヤだと可愛い声で啼くヒカルを思い切り強く抱いた。
 大きな瞳がさらに大きく見開かれ、ヒカルは身体を痙攣させた。アキラは、ヒカルを抱く
腕に力を込めると、そのままヒカルの上に倒れ込んだ。



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