天涯硝子 19


(19)
ヒカルの内股を冴木の手が滑っていく。普段は柔らかく白いそこは、今は暖かいお湯にほの赤く
染まり、すべすべと綺麗で、思わず爪で傷をつけたくなるような手触りだった。
「…お湯が沁みるってば…」
ヒカルがそう言うのも聞かず、冴木はヒカルを後ろ向きにすると壁に手を突かせ、脚を開かせた。
ヒカルの片足を持ち上げると、もう片方の手でヒカルの腹の方から内股に手を入れ、腰をすくい上げ
るように身体を持ち上げて、自分の再び熱くなり始めたモノを、開いた内股に押し付けた。
「冴木さん、いやだよ…」
背中に冴木の熱い身体の体温を感じる。身体を持ち上げられ、片足で不安定に立っているために
身体を動かして逃げることが出来ない。冴木が少し身体を落として、後ろに自身を突き刺してきた。
「……ぃ、痛ァ…」
ヒカルが息を詰め、痛みに耐え震えながら声を絞り出した。
背中から片足の膝裏に腕を回され抱きしめられ、身体を下から持ち上げられる。
自分の身体の重みで冴木のモノが逆に身体の内に深く入り込んで来るのがわかった。
下から突き上げられ、激しく揺さぶられ始めると、息が詰まる。叫びたいのに、声が出ない。
冴木がヒカルの耳を後ろから噛んだ。顔を壁に押し付け、早く冴木が達してくれることを願った。
ベッドでもそうだったが、冴木はなかなか最後までたどり着かない。長い時間ヒカルは衝撃と痛みに
耐えなければならず、時々意識が遠のいた。
「…ゥッ…!」
急に強く抱きしめられた思うと、冴木の身体が硬直し大きく震えた。冴木が呻いてヒカルの内に
精を注ぎ込む。繋ぎ合わされたヒカルの秘門から白い精液が溢れ出た。
水とは違うものが自分の脚を伝い、流れ落ちて行くのがわかる。
きつく抱きしめられていたせいで、身体と一緒に抱きこまれていた片足が痺れている。
冴木はヒカルを抱いたまま胸を喘がせ、快感の余韻に浸っているようだ。
ヒカルは床についている片足がガクガクと震えだしたことに耐えられなくり、身体を揺らして
冴木に訴えた。
「…離してってば」
ようやく持ち上げられていた脚が解かれた。
冴木はヒカルの後ろから自分のモノを抜き取り、シャワーの向きを変えてヒカルの背中を流した。
後ろからヒカルの内股を洗い、秘門にも指を入れて中を洗う。
バスルームに来たのも、精液で汚れたヒカルの身体を洗うためだったのに、また同じことをしてい
る。夏とはいえ、濡れたまま長い時間立っている間に、身体の表面は冷えてしまった。身体の内が
いくら熱くても、肩や胸は冷たくなっていた。
シャワーを掛けてもらうと暖かく感じられて気持ちよかった。顔や胸にもお湯を流してしてもらう。
ヒカルは目を閉じて、冴木に身をまかせた。
シャワーを止め、ヒカルを横抱きにして冴木はバスルームを出た。
「……まだ身体を拭いてないよ?」
ヒカルが不安そうに尋ねる。冴木はヒカルの身体も、自分の身体も拭かずにベッドに戻った。
濡れたままのヒカルを脇に立たせ、ベッドのシーツを引き剥がし新しいシーツを広げて簡単に掛けた後、最初に剥いだシーツを簡単に二つにたたみ、無造作にベッドに投げた。
そして、ヒカルにそのシーツの上に寝るように言った。
「濡れてるよ?」
「いいんだよ。これから拭くんだ」
ヒカルは冴木が何をしたいのか解らないまま、ベッドに横になった。



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