痴漢電車 19 - 21
(19)
それからどれくらい時間が過ぎたのか………たったの一駅かもしれないし、もう終着駅に
着いたのかもしれない………。ヒカルはアキラに翻弄され続けた。列車が速度を落とし、
ホームに入っていく。
アキラはヒカルをドアの端の方に寄せ、下車しようと動き出す周りの客に巻き込まれないように
庇った。
ヒカルは知らないだろうが、ここは最近出来た新興住宅街がある駅だ。ほとんどの乗客は
この駅で降りてしまう。現に自分たちが乗っている車両も、残っているのはヒカルとアキラの
二人だけ。隣の車両も、一人ないし二人ぐらいの客しか残っていない。週末と言うことも
あり、
帰るにはまだまだ早い時間だ。
アキラはぐったりしているヒカルを抱きかかえて、隅の四人掛けの対面座席へと連れて行った。
ヒカルを自分に凭せ掛けるように座らせた。指先で、涙で濡れている頬に触れると、ヒカルは
閉じていた目をゆっくりと開いた。
「もう、やめて………お願い………」
潤んだ瞳や上気した頬が色っぽい。「やめて」と懇願する唇から吐かれる甘い息が、アキラの
情欲を更に煽る。自分の行動のひとつひとつが、どれほど、アキラの心を揺さぶるかを
ヒカルは気付いていなかった。
(20)
アキラはヒカルを座席に押し倒した。ボックス席は座ってしまえば、周りからはなかなか
見えない。その上、今、ここには自分たち以外は誰もいない。遠慮する必要はないだろう。
「塔矢………!」
セーラーの上着を捲り上げようとする手に、ヒカルは小さく抗った。
「や…ヤダ…」
体を捩って逃れようとする。そのはずみで、上着の脇が裾から胸まで、一気に裂けてしまった。
『ずいぶん簡単に破れるモノだ………こんな作りじゃ無理もないか………』
アキラは感心した。妙に冷静な自分に笑いそうになってしまったが、裂けた上着から見える
ヒカルの肌を目にした途端、体中の血が逆流するような錯覚に襲われた。
「あ!イヤだ!やめて!」
破れた布を捲り上げ、淡く色付いた突起に触れた。ヒカルの体がビクンと跳ねた。そのまま
摘んで、くりくりと捏ねると断続的に声を上げた。
「ア、ア、アァ………!」
白い喉を仰け反らせて喘ぐ様が、普段のヒカルからは想像できないほど、艶冶でしっとりとした
色香を醸し出していた。
ゴクリ―――思わず生唾を呑み込んだ。その音が、頭の中で大きく響いた。
(21)
ヒカルの身体はアキラの手によって、熱く高められ、熟している。 スカートの中に手を
忍ばせると、ヒカルのソコは堅く盛り上がっていた。
「あぁん…」
指先でそっと撫で上げると、ヒカルは切なげに身体を震わせた。
華奢な腰を少し持ち上げて、下着に手を掛ける。
「あっダメ!だめぇ――!」
小さな手がアキラのそれに重ねられ、目的を阻もうとする。
「ダメ……ダメ…見ちゃイヤだ…」
か細く震える声でアキラに哀願した。ヒカルはまだ、自分の置かれた状況を把握できずにいる。
アキラが何をしようとしているのかも理解できてないらしい。ただ、すっかり快感に取り込まれ、
昂ぶってしまった自分を見られるのが溜まらなく恥ずかしいのだ。
『…………………進藤って………本当に可愛い……』
絶対、他のヤツには渡せない。何が何でも、ここでモノにしなければ―――――――!!
身体を前に倒し、ヒカルの顔に唇を寄せた。額や頬に軽く触れ、小さく喘ぐ柔らかい唇を塞いだ。
ソコに舌を差し込み、上顎を撫でる。
「んん………」
甘い舌に触れると、ヒカルは反射的に身を引いた。
逃げるヒカルを追いかけて、捕まえ、絡め取る。
「ン………ンァ……」
軽く吸うと、意識しているのかいないのかヒカルも吸い返してきた。
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