赤○妄想 2
(2)
イルファンは「チクショー!チクショー!」と叫びながら、アキラに襲い
かかろうとする。落ち窪んだ目には涙が溜まっているように見えた。
昨日の対局中、アキラが一手打つたびに、身体の奥底を突き上げられる感覚に襲われて、中押し負けを喫した瞬間になんと絶頂に達していた。
昨夜はアキラの事を想いながら、一晩中何百回も自慰行為に耽っていたために
腎虚状態になっており足元がふらついていた。
そんなイルファンに社は大声で「このどアホウ!!しばいたるでェ!!」と
叫ぶと高校の体育で習った柔道の背負い投げでイルファンを床に投げ飛ばすと
ベルトで後ろ手に縛り上げた。
スヨンは「オマエに負けない!オレ強い!負けものか!ここ会ったが百年目!
オレ仇はここで討つわ!」と、カタコトの日本語で喚きながらヒカルに飛び
かかった。
ヒカルは訳がわからなかったが、襲い掛かって来る相手に本能的に反撃して
いた。
プロレスごっこのように、組み合いながら床の上を2人で転げまわっていると、
何かを探して床を這い回っているヨンハにぶつかった。
スヨンが「ヨンハ、助けてくれ!こいつをやっつけてくれ!」と叫んでいるが、
ヨンハは全く耳に入らない様子で「あれは特注で高いのに・・・」と涙を
浮かべて床を見詰めている。
そんなヨンハに気を取られてスヨンの動きが止まった瞬間を逃さず、自分の
ベルトを外して待ち構えていたアキラがスヨンの腕を拘束した。
戦い終わった三人がヨンハを取り囲むように見下ろしていると、情けない顔で
見上げたヨンハは泣きながら自らベルトを外して差し出した。
社が後ろ手に縛り上げると「過去と未来を繋げるための必須アイテムが無く
なってしまった・・・・」と意気消沈しながらも「俺の目を見るな!見ないで
くれ!」と泣き崩れた。
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