クチナハ 〜平安陰陽師賀茂明淫妖物語〜 2
(2) はしたない姿を見られ凍りつく明たん。 己は清浄を保ち禁中を守護すべき陰陽師であるのに・・・ 男はそんな明たんの手首をひねり上げ、白魚の如き指に付着した 欲望の証を見て哂う。「ふん。陰陽師殿も人の子というわけですな」 ――暗闇の中、男の顔は見えない。