祭の後・又はプチの恩返し 2


(2)
そんなパパを物陰からそっと覗く男達がいた。
プチ魔境に住む、今は祭の熱も醒めきらない、だが普段は小羊のように温厚で大人しい
プチ住人達であった。
「やっぱさ、ここは一つ、パパにお礼を言わなきゃいけねえよな。」
「あんな良い意味で期待を裏切るハァハァ小説、賑やかな祭、流石はパパだよ。」
「お礼って言ったって、パパの喜ぶものと言えばヒカルたん以外にはねえだろ?
そうか、オレ、帰ってヒカルたんAAの新作にチャレンジしてみるよ!」
住人の一人が新作を練るべくAAアトリエに走って帰って行った。
「いいよな、手に職のあるやつは…オレなんかパパにお礼したくたって何も出来ないよ…」
そんな泣き言を言い出した住人の肩をガッシリと掴む手があった。
「大丈夫だ」
それはそんなプチ住人達を見ていた魔境からの出張者であった。
「こんな時のために用意したものがある。」

見なくてもそれが何であるかは、プチ住人も既にわかっていた。
いや、最初から誰もがそれはわかっていた事だったのだが…
その意味する事の恐ろしさに皆、口を噤んでいたのである。
こんな所がプチ住人は小心者と言われる所以かもしれない。
勇気のあるもの一人がそれを恐る恐る取り上げた。
「問題は…このヒカルたんマスクを誰が被るかだ。」
ヒカルたんマスクを装着してヒカルスレに乗り込み、魔境に祭を提供する。
それが一番の恩返しであると、わかってはいた事だったのに。



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