嘆きの少年王・訂正編 2
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「アキラ…王」
彼の呼び声か、それともドアの向こうからの呼び声に応えてか、少年が身体を跳ね起こし、
寝台の横に掛けられていたガウンを素早く着こんだ。
そして彼をそこに置いたまま出入り口へ向かい、ドアを開けた。
「アキラ!何してんだよ!?さっきから呼んでるのに!!」
「…どうしたんだ?キミがここに来るなんて…?」
若干震えた声で、戸惑いがちに少年が尋ねる。
「どうしたじゃねぇよ!もう撮影はじまるんだぜ?なにしてんだよ、こんな所で!」
「撮影…?何の、ことだ…?」
戸惑いの中に期待を隠さず、少年がもう一度尋ねる。
「何のことだ、じゃねえ。表紙の撮影だよ!今日の一時からって聞いてねぇのか、おまえ?」
「聞いてない、そんなこと…そんな…」
そして突然何かに気付いたように大きく目を見開き、大声で呼ばわった。
「座間!座間!!」
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