通過儀礼 覚醒 2


(2)
「ねぇ、アキラくん。お父さんすごーく怖い顔してたけど、遊んで大丈夫なの?」
「う〜ん。わからない。でもお母さんが遊びに行きなさいって言ってたから平気だよ」
アキラはそう言うとたかしと手をつないで近所の公園へ向かった。
明子の嫌味は効果覿面だった。行洋はすぐさま遊びに行くのを許した。だが必ず早く帰っ
てくるようにと耳にたこができるほど言ったのだった。
公園に着いた二人はブランコに駆け寄った。午後の昼下がり、そこには同じような年の子
どもであふれていた。そのためブランコもひとつしか空いておらず、二人は一緒に乗るこ
とにした。
「オレが立ちこぎするからアキラくんが座りこぎね」
たかしはそう言うとブランコに飛び乗った。
「え〜、ボク嫌だ。だってたかしくん、すごくいっぱいこぐから怖いんだもん」
アキラは駄々をこねる。
「アキラくん男の子だろ。そんなの怖がっちゃダメだよ」
たかしはあくまでアキラを座らせようとした。というのもアキラが怖がるのが楽しかった
からだ。
「ヤダ。それだったら違う遊びがいい〜」
アキラはそう言うと、砂場の方へ行こうとした。
「わかった、わかったよ、アキラくん。それじゃあ、オレ座るよ」
たかしはあきらめてブランコに座った。それを見てアキラはにっこり笑うと、ブランコへ
乗った。



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