ルームサービス DON’T DISTURB 2


(2)
「メシ」
端的にヒカルは言った。
「じゃあ、ルームサービス頼もうか」
「ルームサービスはイヤだ!」
ヒカルは間髪いれずに、言ったがが視線はアキラの方を向かない。
しばらくの沈黙ののち、ぜかな慎重なアキラの声が聞こえる。
「………でも、歩ける?」
ヒカルは襲ってきた筋肉痛をだましだましおきあがると、そろそろと
足を動かし、たちあがろうとした。が、ほとんどベッドから転げるよう
にして倒れた。腰に全く力が入らない。
「し、進藤」
あわててアキラがヒカルの体を起こそうとする。しかしヒカルはその
手を振り払って、這った。
「進藤・・・」
「トイレいきてえんだよ」
床をにじる。にじっても筋肉痛があるのは変わらない、ほんの少しの
はずのトイレが遠く思えた。が、突然、胴体に手を回されたかと思うと、
ひっくりかえされ、体が床から浮いた。
「・・・」



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