魔境初?トーマスが報われている小説(タイトル無し) 2
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「あーっ! なに思い出してんだよ、俺っ!!」
凄いハズカシイ記憶を、なんでわざわざ呼び出すんだよ。これからすることを、余計に意識しちゃうじゃん。
あ。でも、これだけやったんだから、今さらだよな。
たいして変わんないし。たぶんやることは、ほとんど同じ。ただ挿れるって行為が加わるだけで。うん、それだけの話だ。
なんてひとりで強引に納得しようとして、俺はやっと気がついた。とんでもない難問が待ってることに。
「……どっちが挿れるんだよ?」
当たり前だけど、俺も男で。和谷も男。
普通なら、そんなこと悩みもしない。っていうか、考えもしない。
だけど、両方が男の場合、どっちかが「女役」をやらなきゃセックスなんてできない。
「俺…無理だよ…」
こういうときには、後ろの穴を使うってことくらいは知ってる。アナルセックスってヤツ。
だけどさ。知ってるってことと実際にやるってことには、月と地球くらいの距離があるよな?
とてもじゃないけど、あんなところに入るなんて思えない。
入ったとしても、死ぬほど痛そうだ。痛いのは大嫌いなのに。
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