指話 20


(20)
こめかみから後ろへボクの髪をごく指先で、軽く梳いた。
―…君は、オレの中に父親の影を見ているだけだ。
驚いたように目を見開いて彼を見た。
―普通の子供のように得られない父親の愛情の替わりを欲しがっているだけだ。
―違う!ボクは、…ボクはもうそんな子供ではありません!
―帰りなさい。…今直ぐここから出て行った方がいい。
―ボクはあなたが…
言葉にする代わりにボクはその手を捉えて、自分の頬に触れさせた。
彼の冷ややかな目がボクを見据える。その目を見つめ返しながら捉えた彼の指に
キスをした。5本の指にそれぞれ順にゆっくりと、微かに震えながら。
最後の指にキスをし終わった時、彼のもう片方の手に顎を捕らえられた。
キスを受けた指が、頬を撫でた。ボクは、少し安心したように笑みかけた。次の瞬間、
被い被さってくるようにボクの唇はあの人によって塞がれた。
頬を撫でていた方の手が頭の後ろに回って押さえ付けられ、かじり取られるように
激しく唇を吸い取られた。体を硬くし突然始まった激しい行為に彼のなすがままになる。
一度離れて角度を変えて今度は長く続き、そうしてまた離れる。
それらが何度となくくり返され、ようやく行為が止まり、
やっとの思いで息を次いで肩を上下させ、顎を捕らえられたまま
ボクは恐る恐る目を開けた。鼻先が触れ合いそうな場所にその人の顔があった。



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